牛革ランドセルに起こった思いがけないトラブルに6年保証は有効?
牛革は人工皮革に比べて何倍もの耐久性がありますが、水に弱い特徴があります。
昔の牛革ランドセルが雨に濡れると、雨が滲み込み、放っておくと硬くなりひび割れが起こることがありました。
濡れたままケアをしないとそうなるのが自然皮革の特徴ですから、牛革のランドセルは厄介な面があったんですネ。
その時のイメージが強くて、牛革ランドセルは手入れが大変だから購入しないと今でも敬遠されたりします。
でもネ。今は大丈夫。ランドセルメーカーが工夫して耐水性(撥水性)をかなり向上させているから、雨に濡れても殆ど手入れが要らない。
現在の牛革とコードバンのランドセルは、撥水性だけでなく、防水性が高くなっています。しかし防水性の高さはメーカーによって違うことには注意して下さい。
ホームページにはそこまで詳細には説明はありません。
手入れの仕方についてはホームページやメール、電話でしっかりと確認しておきましょう。
特にこの記事で訴えたいのは、牛革が好きなんだけど、手入れが大変そうだからと諦める必要が無いほど、品質が向上していることです。
ところが、たまにトラブル(問題)が起こる事がある。確かに6年保証は使う側に過失があれば対象外なのが普通です。
メーカーに連絡しても、使い方の問題を指摘されて、実際には製品の問題であるのに消費者側に知識が無いばかりに、保証対象外で終わることが実際にあります。
紹介するケースも、保証の利用を諦めそうになったけど、色々な人に相談して「ランドセル製作側」の問題だとわかり保証してもらったというケースです。
カブセの表面の牛革がはがれて、浮いてしまった例
超有名なT鞄という工房系ランドセルメーカーのランドセル。使いだして1ヶ月で悲惨な状況になってしまった。ものすごくショックですよね。
信頼して購入したのに、1ヶ月ほどでこの状態。
工房に連絡すると・・
当然、すぐにランドセル製作所に連絡。
工房側の返事は、「1年生の間に装着するランドセルカバーで湿気が溜まったことによるトラブル」と仰る。
学校から帰ってきたら、毎日ランドセルカバーは外させていたのに、そんな馬鹿な!
近所の2年生のママは「ずっと1年間カバーをつけっぱなしだったけど全く問題無いよ。」
カブセが浮いてしまった真の原因とは
色々な方の意見の中で最も説得力のあった方(ランドセルの関係者)の見解はこうでした。
取引先のメーカーに写真を見せると、「表の牛革と裏の合皮を噴霧器で糊付けするときに、糊の出る量が不安定だったことが原因で90%間違いない」と言われました。
「もしも、ランドセルカバーを1ヶ月掛け外ししただけでこんな問題が起こるなら、販売した全てのランドセルに同じ問題が起きてるはず、使用方法の問題ではない」と言われ、納得できました。
「工房系メーカーなら革を見た段階ですぐにこの問題が予想できるのが普通」とも言われました。
結果的に、ランドセルを取り換えて貰えました。
良かったというよりも、最初から「ランドセルを送ってみて下さい」と言ってくれても当然だったのに、口コミでいくら良いと言われていても実際がこんなに違うことがあるとわかり勉強になりました。
たくさん作るランドセルの中には、わが家のようなランドセルもあり得るでしょうが、問題はその後のメーカーの対応ではないでしょうか。
今回の問題について
特定の工房系メーカーをやり玉に上げるつもりはありませんが、使って1ヶ月のランドセルがこのような状態になったと聞けば、良心的な業者であれば「ランドセルを送って下さい。その間は別のランドセルを貸し出します」と対応するものです。
原因は調べてみないとわからないからです。
毎日取り外していたランドセルカバーのせいで湿気が溜まってというのはおかしな説明です。
こういった対応や使用者目線、子供目線のない業者を見分ける目をもつことが重要です。ホームページを良く見て下さい。ランドセル業者の優れた技術をこれでもかと紹介しているのは、使う側の目線ではありません。
使う子供の目線でランドセルが説明してあるかどうか、芸術的な工芸作品は親の好み。子供の目線でもう一度そのランドセルを見直してみましょう。
人気がある業者が誠実とは限りませんし、子供が背負うという目線ではなく、親の好みに合うランドセルを製作しているだけかもしれません。
それを見極められないうちに業者の言葉につい予約してしまうことは避けたいことですね。
2年間使った牛革ランドセルの肩ベルトとカブセの根本にシワがよりひび割れが起きた問題
今の牛革ランドセルは6年間は余裕で保ちますよ、人工皮革よりも牛革が良いですよとすすめられて購入した、その店のオリジナルランドセル。
ところが2年目のある日、肩ベルトにシワが入っていてそのシワがひび割れているのに気づいた。
よく見ると、カブセの根本にも同様のひび割れが。
お店に持っていくと、修理はします、けれどこれが牛革の風合いというものなんですよ、と言われたそうです。クラリーノならもっとひび割れているとも。
今回の問題について
地域で何十年と経営している、そのお店オリジナルのランドセルということです。牛革そのものに問題はないとしても、撥水加工、防水加工がどの程度してあるかが気にかかります。
おそらく、軽く撥水加工がしてあるだけで、2年間の間にその効果も薄まり牛革から栄養が抜けてカサカサ状態になってしまったのではないでしょうか。
シワとひび割れが牛革の風合いというのは間違いです。手入れの仕方をきちんと教えてくれなかった販売者のいいわけでしょう。
もしそれが風合いというものなら誰も牛革の製品を欲しくならないでしょう。それに現在のクラリーノはひび割れたりしません。ひび割れは、かなり昔のクラリーノの話ですね。
そのランドセルは、一般の牛革製品と同様の手入れが必要だったのだと思われます。撥水・防水加工も甘すぎたのでしょう。
ひび割れた牛革の手入れ
栄養を与える必要があります。
濡れたら水分を良くとり、風通しの良い所で乾燥させる、「1909シュプリームクリームデラックス」などを布に付けて、革になじませるという手入れが必要になります。
間違ってもミンクオイルなどをいきなり刷り込んではいけません。
このような面倒な手入れをしなくても済むように作ってあるのが、最近の牛革ランドセル。やはり名のしれた口コミの良いメーカーを選びホームページで確認すべきでしたね。