ランドセルの素材を比較しました | クラリーノ,牛革,コードバン
ランドセルの素材には大きく分けて天然皮革と人工皮革があるのはご存知でしょう。じゃあそれぞれでどんなものがあるのか、その素材のクラス(高級度)はどうなのかについては中々情報もないので困りますね。まず簡単に表にして整理してみたので比較してみてください。
ランドセルの主素材になる天然皮革は牛革とコードバンの2種類
牛革には銀面と床面があり、銀面を60%以上使うランドセルだけが牛革ランドセルと呼べる
牛革は厚いので、銀面と床面の2枚に割いて使います。よく本革といいますが「銀面」を指します。
- 銀面:革の表面(皮膚にあたる)にあたる繊維が緻密で手触りもなめらか。本革とも呼びます。見た目も美しいので革細工は通常銀面を使います。
- 床面:革の裏面。銀面に比べて繊維が荒くごわごわしています。作品にするには処理剤で磨いて毛羽立ちを抑えます。樹脂フィルムを貼って牛革ランドセルとして販売している例が多かったのですが、現在は事情が違うようです。
牛革ランドセルと言えるのは銀面を60%以上使っている場合だけです。
樹脂フィルムを貼った床面のランドセルを牛革ランドセルとして販売することはできません。
牛革
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牛の産地や性別それに年齢で名称がちがいますが、ランドセルは2歳以上の牡(オス)の皮革が使われていて、ステアバイトといいます。
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スムース / ボルサ / ビクトリア と色々な呼び名がありますがすべて牛革です。
ボルサ加工には2種類あります。
牛革のランドセルといっても、殆どの場合ランドセル全体が牛革ではありません。
実際にはカブセだけが牛革で、大マチは人工皮革とする組み合わせが一般的。その場合、銀革がランドセル全体の60%以上使ってないと牛革ランドセルとは呼べません。これに違反していると景品表示法違反となります。
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手入れの注意点:雨などで水分を含めば、クリームで保護して風通しの良いところで乾燥させます。特に何気なくカバーを掛けている場合は月に一度の陰干しをして下さい。
*革の深部まで防水してある天然皮革ならこの手間が省けます。
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コードバンは馬の尻の皮から2枚しかとれない貴重品
コードバン
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馬の臀部の革を鞣して、1頭からわずかカブセ2枚ほどしかとれないような貴重な素材です。
キメが細かく艶の美しさと高級感ある手触り感が大人気です。他のランドセルと比較して加工技術が高くなければできないので、価格も高くなります。
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手入れの注意点:水分が革の内部に浸透すれば、風通しの良いところで陰干し乾燥させます。
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開発した会社によって呼び名が違います。良く使われるクラリーノはクラレの製品です。カネボウが開発した素材はベルバイオと呼びます。 |
人工皮革はクラレのクラリーノや帝人のコードレなどいろいろあります。
スタンダード |
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高密度タイプ |
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超高密度タイプ |
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人工皮革と合成皮革はもともとが違う基礎材料を使っています。ランドセルでは人工皮革が使用されています。同じ素材でも開発したメーカーで呼び方が違う事もあります。
沢山の種類があるので迷いますが、デザイン、色、重さ、傷に強いか、自然皮革なら雨に強いかなどを比較して選択基準にしたらよいでしょう。