人気のある牛革ランドセルの違いを比較 | 撥水性・防水性・ボルサ・スムース
代表的な工房系のランドセルを比較しました。
甲乙つけがたいところですが、容量と価格でいえばモギカバンやカバンのフジタが優れています。芸術性は土屋鞄の地位はゆるぎません。
工房系のランドセルは手作りと聞いて誤解する人がありますが、ミシンも多用します。違いは負担の大きな部位を3カ所を手縫いする程度です。
逆に専門系の量産ランドセルはオートメーション化されてるわけではなく、人の手を使うのは工房系とほとんど同じで、手縫い仕上げをしない違いといっても良いでしょう。キッズアミは例外的に量産でありながら手縫い仕上げも取り入れています。
工房系の技術力のある職人も少なくなりつつあり養成が急務で、若い人が工房系の職人として働いています。昔ながらの職人気質のある円熟した熟練の職人のイメージとは違ってきています。
鞄作りで培われた高い技術力を、革工芸作品としてよりも子どもたちが背負いやすいランドセルづくりに使えるかどうかが、工房系ランドセルを選ぶときに重要です。
いくら綺麗なランドセルでも、子どもたちが背負いやすいランドセルになっていなければ、ランドセルとしては疑問符がつきます。
鞄工房山本 | 土屋鞄製造所 | 萬勇鞄 | |
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創業
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奈良県、東京都、愛知県といずれも違う地方で中心となるランドセルメーカーに位置づけられます。
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A4対応 |
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内寸
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横幅233×奥行120×高さ310mm
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横幅233×奥行115×高さ310mm
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横幅235(240)×奥行120×高320mm |
土屋鞄はようやくA4フラットファイル対応に変更。そうでないと今は売れません土屋鞄ランドセルが悪いという評判は対応が遅いといった面でしょう。。容量を見ると奥行(マチ幅)が標準的な120mmあるのは山本と萬勇鞄。土屋鞄はやや足りません。
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重さ |
1,400g | 1,420g ( A4クリアファイル対応) | 1,400g |
デザイン性
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最も人気のある工房系の牛革ランドセル。刺繍を使わずシンプルかつハイセンスなデザインとコバ塗り仕上げのハイレベルな美しい技術が人気です。
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革や糸の太さや色をひとつひとつ吟味した、柔らか曲線を取り入れたワンランク上の美しさ。職人の手縫いで強度のあるランドセルに仕上がってます。
シンプルだけれど余計な刺繍やマークは使わないハイセンスなデザインは大人好みの逸品です。
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鞄工房山本と同等の技術レベルのランドセル。可愛らしい刺繍から男の子らしい刺繍までシンプルさの中にふんだんに華やかなデザインを取り入れています。 |
デザイン性は文句なく土屋鞄が優れています。子供好みではなく、親の好みで購入されます。ランドセル載せ王機能とは関係のない部分です。工房系は機能よりもデザインです。
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耐水性
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土屋鞄が「防水加工」と書いてありますが、他メーカーの「撥水加工」と同じようなものと考えてもらってよいでしょう。あります。撥水は水をはじくことで、防水よりも耐水性のレベルは低くなります。
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製造国 |
日本製 | 日本製 | 日本製 |
価格帯
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59,000円〜179,000円
高額だが、価格に見合った高品質なランドセルです。 |
59,000円〜120,000円
A4クリアファイル対応のみだが、A4フラットファイル対応よりも高価。 |
58,320円〜98,280円
平均価格は比較的安かったが徐々に高くなっている。
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土屋鞄も高額だが、鞄工房山本は最高額が非常に高い。天然皮革が中国に独占的に購入されているらしく、今後ますます本革が不足して高騰しそうです。
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2018年度の状況 | 即日完売しなくなった。 | A4クリアファイル対応が売れず苦戦 | 2ヶ月で販売完了 |
公式サイト |
http://www.kabankobo.com/ | https://www.tsuchiya-randoseru.jp/ | http://www.manyu-randoselu.jp/ |
他の牛革ランドセルトップメーカー カバンのフジタとモギカバン
モギカバン |
カバンのフジタ |
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創業 |
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A4対応 |
A4フラットファイル対応(牛革スムース、牛革ボルサ)
3種類のランドセルがキューブ型です。 |
牛革ランドセルも全てA4フラットファイル対応 |
内寸
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ランドセルの種類で多くの内寸があります。他のメーカーには余り無い特徴と言えます。 |
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モギカバンは内寸の横幅や奥行(マチ幅)の種類が多くて、選ぶのに迷うかもしれないがおおむね容量は大きい。フジタも容量は大きい方でおまけにキューブ型なので見た目は小さい。
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重さ |
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デザイン性 |
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耐水性
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両方とも撥水加工ではなく、本格的な防水加工。
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製造国 |
日本製 | 日本製 |
価格帯
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ユニバーサル:牛革(スムース)58,000円(税込)牛革(ボルサ)58,000円(税込) |
アップリカ(女)牛革・シボ税込 65,000円 |
モギカバンの方が同レベルのランドセルは割安。フジタが割高なわけではない。 |
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2018年度の状況 |
2018年度夏には完売。 | 2018年度ランドセル完売。 |
公式サイト |
https://mogi.me/ | https://www.fujita-randoselu.jp/ |
昔の牛革ランドセルには耐水性の問題があった
その当時のランドセルは、登下校時に教科書やノート、副教材などを入れて背中に背負うための「入れ物=鞄」に過ぎず、今のようにお洒落なカラーやデザイン、高級な牛革やコードバンの素材の工房系のブランドランドセルが沢山売れる事はありませんでした。
素材については、2004年頃は天然皮革の牛革が中心でした。その頃の牛革は、撥水・防水機能も殆ど無く、濡れると硬くなりひび割れたりするような素材でした。昔は牛革が中心であり、現在のように人工皮革が大半を占めるのはここ最近の事です。
現在の牛革は撥水・防水機能が高くなって人工皮革と同じ程度のケアで十分になっています。まだ牛革のランドセルは雨に弱いと誤解してる人が多いのは情報を知らないからです。しかしメーカーによっては、牛革の防水機能を殆ど考えていない場合もあるので、公式サイトでの確認だけは必要です。
まとめ
最初に作られたランドセルは牛革製です。牛革ランドセルは人工皮革ランドセルが現れる前から製造されてました。
その頃の牛革ランドセルは防水性はおろか撥水性能も低く、水に濡れたあとの手入れは大変でした。
手入れの必要性や方法を知らなかったり、牛革ケアをしないランドセルは、固くなったりひび割れて無残な姿になってしまいました。
撥水(はっすい)加工と防水加工
ランドセルのカタログや公式サイトを見ると、撥水(はっすい)加工、防水加工の2種類の耐水加工が出てきます。
この2つの違いは何か?
撥水(はっすい)とは水をはじくということ、防水は水を通さないことです。防水加工の方が水を防ぐ力は強力です。
カタログに撥水加工、防水加工とあれば雨や水に強いのは防水加工の方です。ただ、防水加工は水分を通さないので、暑い時期には蒸れやすい欠点があります。
今でも牛革ランドセルが、その時のままの扱いにくい牛革だと思っている方もいるようですが、実際には撥水性や防水性が高くなっていて、少々雨にぬれても空雑巾で水分を拭き取ればすみます。
以前の鞄工房山本の牛革ランドセルは、牛革の半分の厚さまで滲み込ませてあり、少し濡れたぐらいではそのままでも良いくらいでしたが、現在ホームページには「撥水加工」がされてると書いてあります。
A4対応について
次に、A4対応について。唯一土屋鞄製作所のみがA4クリアファイル対応のままだったのが2019年度にようやく対応しました。
小学校によってA4フラットファイルを使うかどうかを聞くことも大事ですが、安全のために手になるべく物を持たないためにA4フラットファイル対応ランドセルが望ましいのです。