おすすめの工房系のランドセルを教えて下さい | 天然皮革の風合いが好きです
落ち着いた印象のランドセルを購入するつもりです。そうなると工房系のランドセルと考え、第一候補として考えています。おすすめの工房系ランドセルをアドバイスしてください。
まずは結論から
工房系は天然皮革の風合いや工芸品のような造りが中心のランドセル。背負う機能は専門系の方が優れていることは大前提で選びましょう。風合など「味」を中心に選ぶことになりますが、工房系にも背負う機能の良いランドセルはあります。
長い回答になるので目次で読みたい箇所をチェックしてください。
目次
立ち上がり肩ベルトの工房系ランドセル
従来型の立ち上がらない肩ベルトの工房系ランドセル
工房系ランドセルの「味」と「風合いの変化」の2つがあることを知らないで購入する?
工房系の人気ランドセルは生産量が少なく早期に売り切れます
人気のランドセルの中からじっくり選んでいた時代から、早期に選んで購入しないと売り切れてしまう時代になりました。特に工房系のランドセルは、売り切れないうちにと早期に購入する傾向が強くなっています。
工房系のほとんどが「鞄」という名前のように、最初は鞄作りをしていました。
工房系は鞄や財布など味のある工芸品のようなランドセルを作る技術には優れていますが、「セイバンのような(量産系)専門系ランドセルメーカー」は、房系には真似できないほど徹底的に子供中心のランドセルを開発し機能的なランドセル作りに優れています。
立ち上がり肩ベルトの工房系ランドセル
- 羽倉の手作りランドセル
- 黒川鞄工房
- 萬勇鞄
- モギカバンのランドセル
- 村瀬鞄行
- 池田屋ランドセル
- 中村鞄製作所
従来型の立ち上がらない肩ベルトの工房系ランドセル
- 鞄工房山本
- カバンのフジタのランドセル
- 土屋鞄
工房系は売り切れやすいという理由で焦って購入しようとしていませんか?
背負う機能を重視するのなら、量産系(専門系)を選んだほうが良いです。
工房系の背負う機能はかなり向上してますが、天然皮革の味とか造りを重視して購入するものです。
そのため早期に売り切れる可能性はありますが、ここ以外にも技術的に同等レベルの工房系ランドセルは沢山あります。だから「売り切れる!」と余り焦ることは無いと思います。
良いランドセルはたくさんありますし、多くの工房で職人は高度の技術を持っていますが、今は若い職人も増えています。昔気質の腕の良い職人のイメージは過去のものになりつつあります。
良く調べないうちに焦って購入しないことです。工房系ランドセルというふうに、一括りで考える傾向がありますが、実際には工房によってかなり違いがあります。
東京あたりの工房系は、1万本以上のランドセル製作をしていることが多いです。実質的に大量生産的な工房です。量産系のランドセルでもかなり手作業部分があるので、それほど違いはなくなっています。
それに比し名古屋より西はどちらかというと一つ一つを時間をかけて職人が手作りしている傾向があります。
もちろん地域ではっきりと区切れるものでもないです。即日売り切れるYは1,4000本以上の大量生産的な工房系にはいります。それに比べると富山の黒川鞄工房などは少数を手作りしています。
もちろん大量生産的な工房のランドセルの質が落ちるとは言えません。工房系はどちらかというと背負う機能よりも天然皮革の味や良さを重視。
量産系(専門系)メーカー(セイバンなど)は背負う機能を重視するという大雑把な区別はあります。
工房系の中で、風合いの変化を楽しめるメーカーは、羽倉ランドセル、黒川鞄のランドセル、鞄工房山本、それぞれの一部のランドセルであることははっきりしています。他のメーカーは牛革の味はあっても風合いの変化については明されていません。
羽倉の手作りランドセル
羽倉の手作りランドセルは「かばんの街」兵庫県「豊岡鞄」初の認定ランドセルです。ランドセル作りにたくさんのこだわりがあります。
革の美しさを極めるためにカブセに鋲をつけず、斬新でシンプルなデザインにしています。
羽倉の手作りランドセルの特徴 | 耐性牛革は工房系ランドセルの中でも軽い
- 鋲なしフラップ(カブセ)
- 革の断面をコバ塗りで丁寧に仕上げ
- 美しい革のキザミ
- 太い0番糸で曲線美を出す縫製技術
- 耐性牛革ランドセルは丈夫で1,300g未満で軽い。
- 現時点では割安。高品質なのでお得です。
- 牛革ランドセル:59,400〜66,960円(税込)
- コードバン:91,800円(税込)
素材を細かく分けると次の4種類です。
- 耐性牛革(牛革の銀面に樹脂フィルムを貼ったもの)
- エイジング牛革
- エイジングコードバン
- 人工皮革(コードレ)
羽倉手作りランドセルの特徴と詳細 | 口コミ・評判で背負いやすさをはじめその特徴の詳細を紹介しています。
黒川鞄工房
明治時代から続く伝統ある革工芸の工房です。その中の商品であるランドセルはロングセラーとなる商品です。
素材は厳選され、手縫いを中心として140もの工程でランドセルを製造しています。
6年間使用したランドセルをリメイクするサービス(有料)もあるので、黒川鞄ランドセルを思い出としてとっておけます。
黒川鞄工房の特徴
- 2020年度工房系ランドセルベスト4に選ばれる。
- 革を厳選して選んでいる。(北欧産の馬、ステアと呼ばれる透湿性、通気性に優れた牛革)
- 機能が豊富
- 高級なヌメ革(ブライドルレザー)のランドセルもある
- 内装デザインは女の子好みのハートやチェックなど、外装の雰囲気とはまた違っているのも良い
- 手縫いを中心に手作り感を大事にしている
- 6年間の修理サポートつき
- 落ち着いた色使い(発色技術には定評があります)
- 色は11色。自然皮革で11色は多いですね。
- A4フラットファイル対応は。スムース牛革ワイド/スムース牛革ビッグ/シボ牛革/コードバン ビッグ/コードバンワイドの5種類です。他はA4クリアファイル対応です。;
- 牛革:¥62,640〜105,840円(税込)
- コードバン:84,240〜213,840円(税込)
ショールーム訪問記事) 黒革鞄工房は厳選した素材で徹底した手作りランドセルを製造
萬勇鞄のランドセル
2020年度は3月23日(土)ネット販売開始です。
萬勇鞄は1950年度名古屋でランドセル製造販売を開始。職人の技術レベルが高く、美しくしっかりとした丈夫なランドセルには定評があり、有名なY工房と同等です。
素材は自然皮革の牛革、コードバンそれに人工皮革のタフガードの3種類を使用。手縫い仕上げとミシン縫製をうまく使い分けて、しっかりとした丈夫なランドセルを製作。
萬勇鞄の特徴
- 3種類の素材で同じ名前のランドセルを製作。
- 全てのランドセルが手縫い仕上げ
- 全てA4フラットファイル対応。
- 内寸:横幅235(240)奥行120×高さ320mm
- 収納力(容量)に優れていたが現在は平均的
- 重さ:タフガード1,200g、牛革1,400g、コードバン1,500g
- 学習院型と3種類のキューブ型
- 鞄工房山本とそん色ない
- 工場の見学が可能
- 2017年度オーダーメイドがなくなりました。
- 牛革::61,560円(税込)〜70,200円(税込)
- コードバン:93,960円(税込)〜99,360円(税込)
モギカバンのランドセル
2019年度は4月11日(木)(ネット販売開始です。(直営店は4月6日(土))
モギカバンの創業は1929年ですから、昭和の初期からの老舗になります。自然皮革を中心に人工皮革でも素晴らしいランドセルを製作。
皇室御用達の大峽製鞄とのコラボランドセルを作るなど、つねに研究熱心で伝統を守りながらも新しいことを取り入れています。
鞄工房山本は過剰なプレミアがついて販売開始の日に即完売します。鞄工房山本を買い逃し悔しい思いをした時には、このモギカバンを思い出して下さい。
モギカバンの技術もセンスも素晴らしく、これからプレミアがついてくるでしょう。今までは群馬県内での取扱だったのですが、インターネット販売に本格参入してきたので、今なら割安価格で購入できます。
モギカバンの特徴
- かなり早い時期からA4フラットファイルランドセルを製作し始めた。(進出性)
- 自然皮革はスムースで発色に重点を置き、ボルサで傷に強いランドセルを製作。
- 深みのある美しい発色
- プリズミックス以外の全てのランドセルの背あてと肩ベルトにソフト牛革を使用
- 女の子のブランドがプリズミックス。
- 収納力が抜群 内寸:横幅235×奥行(大マチ)130×高さ310mm(大容量)
- 重さ:人工皮革:1,200g、牛革:1,330g、1,350g、1,400g、コードバン1,400g
- 女の子のランドセルのデザインと色が他に見たことが無いほど素晴らしい。
- 他のメーカーと同レベルのランドセルを比べると割安。
村瀬鞄行のランドセル
創業60年以上にわたり、本物の手作りでランドセルの国内製造を続けています。
現在は職人の高い技術と機械と道具を上手く組み合わせて、素材の厚みを薄くしないで丈夫な美しいランドセルを製造。
菊寄せと手縫い補強、角革刻み加工、背あてとカブセ、背あてと大マチの縫い合わせなどは手縫いで一つ一つ仕上げています。
徹底的に使う側の立場に立ったランドセル作り。特に素材には手を抜かず、雨対策も万全。
そのため牛革ランドセルでも1,500gありますが、背負って軽いランドセルづくりをしているために購入された方の評価はとても高いです。
人工皮革の軽量モデルも揃っています。
村瀬鞄行の特徴
- 素材の厚みを重視する丈夫なランドセルづくり
- 刺繍の針穴から雨が滲み込まない対策
- デザイン性の高さには定評があります。
ショールーム訪問記事) 村瀬鞄行渋谷店で徹底したランドセル作りについて伺いました
池田屋ランドセル
池田屋はとにかく子供たちが使いやすいランドセルを製作しています。
その1点を中心に据えて色々な工夫を生み出し、ユニークなランドセルを製作。子供たちへの愛が感じられるランドセル。
池田屋のランドセルの特徴
2020年度は販売中。
- 一つのランドセルに人工皮革、自然皮革各素材の長所を生かす。
- 針穴からの雨の浸入予防のために刺繍をしない。
- 肩ベルトは立ち上がっていない。
- 抜群の耐久性
- 金属より強い樹脂
- 肩に優しい肩ベルト
- 背カンの動きがフィット感を向上
- 蒸れない背あて
- 防水牛革:65,880円〜68,040円
- 防水コードバン:95,040円 (税込)
中村鞄製作所
創業は1960年ですから、ランドセル工房の中ではそれほど古い工房ではありません。20人の職人で1万点以上のランドセルを製作する工房系の中でも大量に生産する傾向があります。
シンプルなデザイン。コンビデザインの色使いが素敵です。カブセとランドセル内部のカラーが同じになっているのも特徴。
ベルエースという人工皮革は、傷のつきにくい特別の素材です。例年10月末まで早期割引あるので、検討するならこの期間に。
中村鞄製作所の特徴
- 牛革、コードバン、ベルエース
- 六価クロムメッキ不使用
- 背あてはソフト牛革(NASA開発のクッション材)
- 本店以外にショールームが無い
- 牛革ランドセル:¥65,000(税込・送料無料)
- コードバン:¥88,000(税込・送料無料)
参考記事) 中村鞄製作所のランドセルの特徴と口コミ・評価
中村鞄製作所のショールーム訪問記
鞄工房山本
2016年度の鞄工房山本は発売日に売り切れ、売り出し日即完売のプレミアランドセルとして過熱気味。
その後、2年にわたって人工皮革を牛革と偽ってホームページに載せていたことが発覚。急激にプレミアがはがれてしまいました。
今では売り切れを心配する必要のない普通の工房系メーカーになっています。品質はしっかりしているので、購入に問題はありませんが、割高です。
革の裁断面がお洒落と強度のためにニス仕上げになっています。
お洒落でカジュアルなランドセルが多く、派手ではないシンプルなデザインです。
女の子のランドセルにはコスモスのデザインも取り入れられています。じっくりと落ち着いた可愛らしさがあり大人好きする味のあるランドセルです。
鞄工房山本の特徴
- 芯材がとても丈夫。
- ランドセルの内装もとてもお洒落。
- 高価なランドセルには高級感のあるネームプレートがあります。
- 購入者特典として雨カバーが貰えます(防水性は抜群の天然皮革ですが。)
- 工房内を見学できるし、遠くからの見学には休憩できる部屋が併設。
- 6年間の修理保証は信頼が高いです。
- コバ塗りが剥がれるのは、本来自然なことです。普通は修理の対象にはなりませんが、鞄工房山本では無料で塗り直してくれます。
- コバ塗りカブセは鞄工房山本の技術水準の高いからできることです。
- デニム調を牛革表面に加工している
- オリジナルの金具に手を抜いておらず高級感がある
- 2016年度から全てA4フラットファイル対応になったので、A4フラットファイル以外の荷物も沢山はいるようになった。
- 2017年度、需要があり過ぎて購入できない方に配慮して人工皮革ランドセルを男女1種類ずつ追加。仕上がりまでの時間が短く済むので生産量が増えるのがメリット。以前人工皮革ランドセルを生産していたことは殆どの方は知らないでしょうね。人工皮革のノウハウも蓄積されています。
- 牛革:67,000円(税込)〜70,000円(税込)
- コードバン:94,000円〜179,000円(税込)
カバンのフジタのランドセル
2020年度は既に販売中。6月10日までの予約でさくらんぼまたは「ネームプレート」プレゼント。
山形県のランドセル販売会社です。雪国の道路の登下校の危険性を重視して、ランドセルに安全のための配慮を色々と取り入れています。
左側に安全ナスカンが無いのは、車、自転車に巻き込まれるのを防ぐため。キューブ型で大容量なのは、転倒した時に手を付つけるよう、荷物をランドセルにすべて入れる配慮などです。
カバンのフジタの特徴
- 牛革・コードバンも人工皮革も全てがキューブ型
- キューブ型でもとても頑丈な構造
- A4フラットファイルのキューブ型ランドセル
- 大容量でも見た目はA4クリアファイルランドセル
- キューブ型ランドセルの中でもトップクラスの大容量
- 牛革:68,000円〜72,000円(税込)
- コードバン:98,000円(税込)
- 普通はあり得ない、全てのランドセルの肩ベルト・背あてにソフト牛革を使用。割安です
土屋鞄のランドセル
昭和40年といいますから1960年にランドセル作りを始めたので、工房系の中では歴史は古くはありません。
現在は鞄や革製品などの一商品としてランドセルを製作しています。
手作りランドセルの技術は高く、高級感が漂っているのはデザイン性の高さと素材およびその加工技術の高さを物語っています。
古典的な雰囲気のデザインですが、美しいです。大人でも背負いたくなる逸品だと思います。
A4クリアファイル対応のみでしたが、2019年度にやっとA4フラットファイル対応になったのは朗報ですが、なぜ今まで!という気持ちが強い。
土屋鞄のランドセルの特徴
- 高額。
- 背負う機能は従来型の肩ベルト中心なので、殆どの子供には期待できそうにない。
- 2019年度にやっとA4フラットファイルに対応しました。
- 小さな傷など一つも見逃さない徹底した革の管理
- 重要部分は必ず手縫い
- 芯材がとても丈夫
- 6年間の修理保証
- とにかく高級感のある形・デザイン
- 配色も落ち着いて味がある
- 金具も高級感が漂う、派手さのないアンティーク風
- 高級ヌメ革ランドセルもあります
- 内装デザインがなかなかお洒落で他のランドセルより一歩抜きんでている
- 購入特典として雨カバーがついてきます
- 工房の見学ができます。
- 牛革:70,000〜100,000円(税込 )
- コードバン:94,000〜120,000円(税込)
あるママの感想
工房系を見て回った私の個人的感想なんだけど、
鞄工房山本のランドセルは、お洒落で切れのあるスタイルがカッコ良かったです。安全なナスカンも良く考えてあって、色もとても良かった。
黒川鞄は、鞄工房山本のようなカッコ良さは無いけれど、機能的には抜群だと思いましたね。ただA4フラットファイル対応ではない1点だけ残念です。(*注 現在はA4フラットファイル対応があります。)
萬勇鞄は職人の魂を感じます。朴訥(ぼくとつ)だけど美しい。他のランドセルに比較して割安です。技術レベルも高く他と比較して同等だと思いました。
土屋鞄、これはとにかく美しい。機能的にも申し分なしです。やっと2019年度にA4フラットファイル対応もなされました。(*2019年時点では土屋鞄も黒川鞄もA4フラットファイル対応ランドセルを製造中)
色んな工房系を回ってみました。それで気づいたこと。工房系ランドセルは手作りの良さを声を大にして宣伝していますが、多くが「鞄工房」という名前のように「天然皮革で鞄」を造っていた会社がランドセルづくりに乗り出したという経緯があります。
私の知る限り、最初からランドセルだけを作り始めた「工房系」はないという事に気づきました。工房系というからには、天然皮革を知り尽くして美しいカラーで彩る、工芸品のような作品。それがそのままランドセルづくりの中心になっているようです。
工房系のランドセルは、「フィットちゃん」や「セイバン」のように長年をかけて「子どもたちの背負いやすさ」を追求して来たわけではないと思うんです。
背負い安さは「フィットちゃん」「セイバンのランドセルを参考にして取り入れている。だから工房系ランドセルは「背負う機能」重視ではなく「天然皮革の良さを生かした作品」としてのランドセル。
それを良く知った上で工房系のランドセルと量産系(セイバンなど)のランドセルとを区別して選ぶべきだと結論にいたりました。
もちろん天然皮革の美しさと背負い安さの両方を併せ持つ工房系も多いのですが、「背負う機能」を特に重視するなら「量産系」の長年研究してきたメーカーにした方が良い、これが私の結論です。
ランドセルの機能は量産系(専門系)の方が優れていても、味わいは工房系が圧倒的に上
セイバンやフィットちゃんは長年のランドセルの研究開発の実験データを公式サイトに載せています。工房系はその成果から生まれた部品を上手に使っています。
工房系は職人の技術が優れていると言いますが、鞄の縫製の技術が優れていることと、背負う機能の優れたランドセルを製作できることは関係がありません。
とはいえ、工房系ランドセルの味わいは量産型の人工皮革には出せません。わざわざ重い工房系ランドセルを選ぶ意味は天然皮革の持つ「風合い」にあります。
工房系は手作りランドセルだから・・・という誤解
量産系のランドセルは工場の流れ作業的ラインで大量生産されるわけではありません。それどころか直接人の手が加わっている工程はたくさんあって、専門的な技術をもったスタッフが製作します。
そういった意味では、主に使う素材と仕上げの3工程くらいが手縫いである事が違うぐらいです。工房系ランドセルは専門メーカーの研究開発した技術や信頼できるパーツや知識をそのまま取り入れていると言えます。
工房系と量産系(専門系)の差は思っているほどにはありません。工房系だけが手作りとも言えません。
工房系ランドセルが人気の理由(メリット)
- 丈夫(手縫い仕上げ)
- 丁寧な縫製
- 自然の風合いを楽しめる(牛革の中にも自然の風合いが出ないものがある)
- 高級感
- 良質な革
- 内装も素敵
- 6年間のしっかりとした修理保証
- 希望すれば工房の作業を見ることができる
革の味わいはあっても風合いの変化の出ない天然皮革ランドセルもある
工房系ランドセルは「天然皮革の風合いや味」が好みだから購入されます。しかし「自然の風合いの変化」は、牛革の銀面を染料や顔料で染めたものにだけ出ます。
革の処理は2種類ある
- 本革の銀面を染料・顔料で染める⇒革の「味」と「風合いの変化」が出る
- 本革の銀面に樹脂フィルムを貼る⇒革の「味」が出る
天然皮革のランドセルの本革は「味だけあるもの」と「味と風合いの変化の2つがあるもの」の2種類があります。こんなことは工房系ランドセルのホームページには殆ど書いてないから知らなくても無理もありません。
牛革の銀面(注記)に樹脂フィルムを貼り付けたランドセルには革の味わいはあっても風合いの変化は出ないことをご知っている人は少ないようです。が、風合いの変化は出なくても革の味があれば良いかも知れません。
クラリーノは人工皮革ですが、牛革にかなり似せて作ってあります。見分けが殆どつかないくらい「革の味」が出ています。
牛革に樹脂フィルムを貼ったものに風合いの変化は出ないと知れば、軽くて耐水性の高い人工皮革を選ぶお母さん方もいるかも知れません。
牛革ランドセルは子供たちが使うのですから、風合いの変化は犠牲にしていても、雨に濡れるたびにサッとふき取るだけですむ牛革ランドセルの方が親としては助かるのではありませんか?
牛革の味わいだけでなく風合いの変化を楽しむとなると、どうしても防水性や撥水性が劣るので、濡れるたびに手入れが必要になりますし、ランドセルの種類はかなり少ない。牛革で売っているランドセルは殆どが風合いの変化は出ません。
注記)牛革の銀面:牛革は厚みがあるので、2枚に割いて使用されます。表皮の側の革(本革といいます。)を銀面といいます。
また、内臓側の革を床革といい、以前は樹脂フィルムを貼り付けたランドセルがあったようです。
しかし、現在は銀面が60%以上ないと牛革ランドセルと呼べないため、銀面に樹脂フィルムをはっているか、銀面を染料で染めているかのどちらかです。メーカーは公式サイトで公表はしていません。)
羽倉ランドセルは風合いの変化が出ないランドセルと出るランドセルを明確にしている
その点で、羽倉ランドセルはランドセル名や商品説明に、はっきりと書いているので信頼できます。
- 耐性牛革ランドセル
- エイジング総牛革ランドセル
- エイジングコードバンランドセル
耐性牛革は牛革の銀面に樹脂フィルムを貼り付けているのでとても強度があります。しかし経年変化による牛革の風合いの変化はありません。
エイジングランドセルは銀面を染料や顔料で染めているので、牛革の風合いの変化を楽しめます。各メーカーにその点を問い合わせてみてはどうでしょうか。
工房系ランドセルのデメリット
- 価格が高い
- 重い
- 天然皮革は手入れが必要
工房系ランドセルが高い理由
工房系ランドセルの意味は、牛革やコードバンといった天然皮革を主素材としたランドセルのことです。
大量生産ができない限られた資源であり、皮から革になるまで手間暇がかります。
なので高い価格になってしまいます。メーカーによって価格の差があり、ランドセルデビューをして間もない時には割安価格でも、売れ出すと高い価格に推移していきます。
例えば羽倉ランドセルはデビューして間もないので、高品質でも割安価格です。人気が出てきているので遠からず値上がりするでしょう。
工房系ランドセルは重いというが、機能次第で軽く背負えます
工房系ランドセルは重いが、背負う機能次第で軽くなります。「立ち上がり背カンで立ち上がり肩ベルトになっていること」で背負いやすい、背負って軽いランドセルになります。
参考記事)背カンの3つのタイプと背負う機能の違い | 固定型,左右連動型,非連動型の比較
立ち上がり背カンが作る立ち上がり肩ベルト万能ではありませんが、天使のはねは立ち上がり肩ベルトで体感重量を軽減するという革命を起こしたのですから、重要なポイントなのは間違いありません。
時間をかけて徹底的に吟味してから購入したいところですが、購入を決心したときにはそのランドセルが売り切れていたという事にもなりかねません。
2019年度時点のおすすめできる工房系ランドセルメーカーにはそれぞれ独自の特徴があります。後はお父さん、お母さん方の好みになるでしょうが、まずは特長を理解して臨みましょう。。
風合いの変化が出るのは4工房、どこに書いてあるの?
風合いの変化が出る天然皮革ランドセルを製作しているメーカーは運営者の知る範囲では次の4工房です。
もちろんまだまだあるとは思いますが、この記事で取り上げている範囲ではこの4工房です。
- 羽倉ランドセル
- 黒川鞄
- 土屋鞄
- 鞄工房山本
各工房のホームページには風合いの変化が出ることをどのように表現しているか
羽倉ランドセル
エイジング総牛革
すべて牛革だからこその丈夫さはもちろん牛革本来の味わいとエイジングを楽しめるモデルです。
使い込むことで柔らかに成長し、刻まれたキズも愛おしくなる。
本物の革だけがもつそんな魅力に親しんでいただきたくて
羽倉は、ランドセルには珍しい加工方法を採用しました。
引用:羽倉ランドセルのエイジングランドセル
黒川鞄工房
ブライドルレザー
英国紳士のような気品と風格が漂うブライドルレザーは、ヌメ革の最高峰といわれる牛革。独特の味わいが魅力のランドセルに仕上げました。
年月を経るごとに独特の光沢と艶が増していきます。お子さまの成長とともに味わいが増していくランドセルです。
引用:黒川鞄工房のブライドルレザー
鞄工房山本
リベルタ
ぱっと目を引くデザインと品よく漂うカジュアル感に一目惚れするお子さまもいらっしゃる「リベルタ」。デニム調の牛革に、飾り鋲やデザインステッチ、使うほどに深みと味わいが増すヌメ革の風合いを楽しめるところも魅力的です。毎日の通学が楽しみになりそうなランドセルです。引用:鞄工房山本リベルタ
土屋鞄
ヌメ革ランドセル
使い込むほどに、じっくりと味わいを増していく
ヌメ革のランドセル。
防水などのケアが必要ですが、
手をかけた分だけ、
ものを慈しむ気持ちを育ててくれるでしょう。
引用:土屋鞄のヌメ革ランドセル