ランドセルの丈夫さ,軽さ,容量の違いを徹底調査
ランドセルは子供が背負うものなので、機能性重視で選ぶのが基本。色やデザインはその次に重視すべきかなと考えます。ランドセルを比較すると、人気のあるランドセルにも少しずつ違いがあります。
日本製のランドセルは6年間十分に使える「丈夫なランドセル」。人気のランドセルは、どれも基本性能は優れていますが、機能的な違いはかなりあります。
親がランドセルブランド(メーカー)を決め、子供に好きな色やデザインを選ばせるといったランドセル選びの流れが普通です。
重要なのは、お母さんが選んだメーカーのランドセルが、実際に背負う子供に合っているかどうかです。
ランドセルの選び方のポイントは次です。このポイントを知らずにランドセルを選ぶことが無いようにしましょう。
- 丈夫さ
- 軽さ
- 背負って軽くなる機能
- 容量
- 色・デザイン
- 価格
ランドセル人気ランキングに各ブランドの採点をしてるので参考にしてください。
次は、ランドセルの選び方を知らずに後悔したママ達の実態です。
入学後、「丈夫さ」「軽さ」「背負って軽い機能」「容量(収納力)をもっと重視すべきだったと後悔したママ達
もっと重視すれば良かったと後悔した点
- 丈夫さ
- ランドセルの軽さ
- 背負って軽い機能
- 収納力(容量)
詳細に説明してあります⇒ 後悔!母と子がランドセル選びで重視したポイント | 色、デザイン重視を反省。失敗しないランドセル選びに参考になります。
「ランドセルが重い、疲れた」は個人差が大きい
良く問題にされる「ランドセルの軽さや重さ」については、天然皮革のランドセルを問題なく背負っている子もたくさんいますから、軽量のランドセルを絶対視するのは間違いです。
よほどの事情が無い限り身体にフィットしていれば牛革やコードバンでも大丈夫。それよりも選んだランドセルのもつ背負う機能が100倍重要です。
また、「重い、疲れた」というのは個人差が大きいので、我が子のタイプで「軽いランドセル」にするかは判断してください。同じランドセルで「重い」という口コミもあるし、「軽い」というものもあるのは、感じ方に個人差が大きいからです。口コミは参考程度に読みましょう。
教科書入れて9kgにもなるランドセルは学校側が対処すべき問題
重いランドセルに関して「ランドセル問題」と呼びますが、ランドセルが問題ではなく、中に入れる教科書・教材の問題です。
小学1年生から3年生の調査で、教科書を入れたランドセルの重さが最高で9s、平均でも5sを超えるようなら子どもたちに負担が大きすぎます。
この調査が事実かどうか疑問ですが、事実なら軽量のランドセルを選ぶことで解決するものではなく、学校側(教育委員会)が対処すべき問題です。
容量(収納力)が大きなものを選び全てを入れれば良さそうに考えても、その結果が9kgなら重すぎです。
*9sというのが本当なら、塾の教材を入れている可能性もあります。常識的に9sの荷物を背負うことを学校側が要求はしないのではと思います。
目次
1.「ランドセルの丈夫さ」の違い
丈夫さを決める要因には何があるか
丈夫さには「素材」の丈夫さをはじめとして多くのポイントがあります。
評価ポイント
- 素材の丈夫さ:コードバン>牛革>人工皮革
- 大マチ・底板:固定板・3方向ガードの有無
- メインポケットの入り口強化の有無
- 縫製:(手縫い>ミシン)
- 背カン:エンジニアリングプラスチック(ナイロン樹脂)>金属
*セイバンをはじめナイロン樹脂(エンジニアリングプラスチック)の強度は金属に劣りはしません。
素材の丈夫さの違い
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丈夫さ |
重さ |
色/デザイン |
合成皮革 |
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軽い(1,000〜1,300g) | 普通 |
人工皮革(クラリーノなど) |
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軽い(1,000〜1,300g) |
豊富 |
牛革 |
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やや重い(1,300〜1,450g) | 少ない |
コードバン |
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重い(1,400〜1,650g) | かなり少ない |
結果
2.入り口強化、大マチ・底板が丈夫
上のランドセル以外でも、大マチ上部の固定板があるので、6年間使える強度としては十分で問題ありません。
*セイバンなど多くのブランドで使われている背カンのナイロン樹脂(エンジニアリングプラスチック)は金属よりも強度があります。
金属の方が丈夫そうですが、金属疲労で壊れやすい性質を持っています。
詳しく知りたい方は次の「丈夫さ」の詳細をチェックしましょう。
【量産系(専門系)ランドセルの「丈夫さ」の違い】
5点満点
素材の丈夫さ/型崩れ対策/背カンの素材の違い |
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5.0 |
セイバン
【型崩れ対策】
*105kgの圧力でも潰れない 【背カンの素材】
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4.5 |
【型崩れ対策】
パワフルガード:大マチ上部と正面上部に樹脂に凹凸加工された特殊プレートを内蔵。前後方向からの力に耐えて型崩れを防ぎます。メインポケットの入り口強化 【背カンの素材】
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4.5 |
![]() フィットちゃん
【型崩れ対策】
*63.6kgの圧力でも潰れない 【背カンの素材】
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4.0 |
【型崩れ対策】
メインポケットの入り口強化 【背カンの素材】
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3.5 |
【型崩れ対策】
3方向一体型の補強プレート 【背カンの素材】
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【工房系ランドセルの「丈夫さ」の違い】
5点満点
素材の丈夫さ/型崩れ対策/背カンの素材の違い |
|
5.0
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![]() 羽倉ランドセル
【型崩れ対策】
大マチ上部にT字型の固定板 【背カンの素材】
エンジニアリングプラスチック |
4.5 |
![]() 萬勇鞄
【型崩れ対策】
大マチ上部に四角い固定板 【背カンの素材】
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4.5 |
![]() モギカバン
【型崩れ対策】
大マチ上部に四角い固定板 【背カンの素材】
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4.5 |
【型崩れ対策】
大マチ上部に四角い固定板 【背カンの素材】
|
4.5 |
【型崩れ対策】
大マチ上部にT字の軽い樹脂+スポンジ 【背カンの素材】
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4.5 |
【型崩れ対策】
大マチ上部にT字型の固定板 【背カンの素材】
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4.5 |
【型崩れ対策】
一体型のフレーム構造 【背カンの素材】
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4.5 |
![]() 村瀬鞄行
【型崩れ対策】
大マチの固定板 【背カンの素材】
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4.5 |
![]() 黒川鞄
【型崩れ対策】
大マチのT字型の固定板 【背カンの素材】
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4.0 |
【型崩れ対策】
開口部にはピアノ線 【背カンの素材】
|
素材では「コードバン」の丈夫さは群を抜いています。カブセ(フタ)を指で押すと、牛革との違いが良くわかります。
素材の強度について表にまとめているので参考にして下さい。
2.「軽さ」の違い
イラストのランドセルは背負うと軽いランドセルでしょうか?これを見てすぐに判断できるようになってランドセルを購入してください。答えは下にあります。
軽さは
- 「ランドセルの軽さ」
- 「背負うと軽い機能」
の2つで決まります。
立ち上がり肩ベルトはランドセルが後ろにずれるのを防ぐので背負って軽いのです。
従来型の肩ベルト(立ち上がらずに垂れている肩ベルト)は、後ろにずれやすい。
そういったランドセルは、肩ベルトの長さを調整してもピッタリしません。だから下のようにランドセルがずれないように肩ベルトに手を入れて引っ張ることになります。
【量産系(専門系)ランドセルの「軽さ」の違い】
5点満点
「軽さ」の要因 |
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5.0 |
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
5.0 |
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
5.0 |
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
5.0 |
【ランドセルの重さ】
これだけ軽くても、強度実験を合格したランドセルなので、6年保証もあるしそれなりの安心感があります。
【背負って軽い機能】
|
4.5 |
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
【工房系ランドセルの「軽さ」の違い】
5点満点
|
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
4.0 |
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
4.0 |
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
4.0 |
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
3.5 |
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
3.5 |
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
3.5 |
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】 |
3.5
|
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
3.0 |
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
3.0 |
【ランドセルの重さ】
【背負って軽い機能】
|
- 肩ベルトはX字形状で体を包み込むと肩からずれず体にフィットするので軽く感じます。
肩ベルトの裏はクッション性があり、あたりの良い素材が良い。
3.容量(収納力)の違い
ランドセルの収納部はメインポケット、サブポケット、前ポケットの3つで構成されます。メインポケットの収納力は大マチの幅で決まり、サブポケットは小マチの幅、前ポケットもマチ幅とポケットの形で決まります。
前ポケットは写真にあるラウンド型(逆U字型)が最も使いやすく、口が大きく開いて使いやすくて収納力があります。
収納力とは容量のこと。
メインポケットの容量(大マチの幅と横幅と高さが作る空間)が最も重要。+サブポケット(小マチ幅が作る空間)+前ポケットの容量。
これらの全てを総合したものがランドセルの容量です。
評価ポイントはメインポケット、サブポケット、前ポケットの3つ。
大事な順に大マチ幅>小マチ幅>前ポケットのマチ
- ただし、マチ幅が広すぎて奥行のありすぎるランドセルは重く感じます。
- メインポケット(最も大きな収納部):大マチ幅で決まる。
- サブポケット:小マチ幅で決まる
- 前(段)ポケット:上部のファスナーの形は逆U字型(ラウンド型)が使いやすい。口が大きく開くかどうかも重要。マチの幅
容量の違い調査結果(メインポケット+サブポケット+前ポケット)
- 1位 キッズアミのペリカンポッケランドセル
- 2位 イオンのみらいポケット
- 3位 キッズアミのエレファントキューブランドセル
【量産系(専門系)ランドセルの「容量(収納力)」の違い】
5点満点
メーカー別 「収納力」 比較 |
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5.0 |
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5.0 |
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5.0 |
2020年度は、これまでの大マチ幅110mmから大容量化しました。 |
4.0 |
|
4.0 |
|
【工房系ランドセルの「容量(収納力)」比較】
5点満点
メーカー別 「容量(収納力)」 比較 |
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4.5 |
|
4.5 |
|
4.0 |
|
4.0 |
|
4.0 |
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4.0 |
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4.0 |
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3.5 |
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3.0 |
|
3.0 |
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参考記事)人気ランドセル容量比較
ママ達が気づいた【丈夫さ/軽さ/容量(収納力)の違い】総合ランキング
お母さん達が入学後、背負いだしてからに重要視すべきだったと後悔した4つのポイント。
「軽さ」は
- 「ランドセルの重さ」
- 「背負って軽い機能」
の2つで決まります。
- 丈夫さ
- 軽さ
- 背負って軽い機能
- 容量(収納力)
4つのポイントをそれぞれ5点とし合計20点満点で違いを調査。
どのポイントを重視するのかは人によって違うのが当然です。
1.0〜5.0 10段階評価
5.0は最高評価です。
*20点満点で、18点がいくつもあります。でも内容は違います。チェックしてください。
量産系(専門系)のランドセルは軽い。型くずれ対策が重要
セイバン
18.5/20点満点
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18.5点
【種類】 251モデル 107種類
【値段】 51,516円〜82,620円 |
【丈夫さ】
クラリーノの強度は天然素材には劣るが、型崩れ対策はメーカーの中でトップ
【軽さ】 4.5ランドセルの軽さ 5.0背負って軽い機能
ランドセルそのものも軽く、背負う機能に優れているので「軽さ」ではトップ
【容量】 |
フィットちゃん
18/20点満点
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18点
【種類】 44モデル 150種類
【値段】 39,960円〜97,200円(税込) |
【丈夫さ】 4.5 ランドセルの軽さ
5.0背負って軽い機能
クラリーノでランドセルは軽い。背負って軽い機能もトップクラス
【容量】 |
キッズアミ
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18点
【種類】 15モデル 69種類
【値段】 57,240円〜98,280円 |
【丈夫さ】
4.5背負って軽い機能はとても優れている。
【容量】 |
イオン
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18点
【種類】 20モデル 89種類以上
【値段】 32,400円〜151,200円 |
【丈夫さ】
【軽さ】
4.5背負って軽い機能にも優れている。
【容量】 |
ふわりぃ
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18点
【種類】 28モデル 97種類
【値段】 37,908円〜62,640円
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【丈夫さ】
【軽さ】
4.0背負って軽い機能もある。
【容量】 |
工房系は何といっても素材に強度があるが、子供中心の姿勢があるかが重要
池田屋ランドセル
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18.5点
池田屋
【種類】 11モデル 88種類
【値段】 44,280円〜95,040円(税込) |
【丈夫さ】 4.5 【軽さ】
4.5ランドセルの軽さ
5.0背負って軽い機能
【容量】 4.5 |
モギカバン
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18点
【種類】 22モデル 104種類
【値段】 51,000円〜108,000円(税込) |
【丈夫さ】 4.5 牛革・コードバンを手縫いで丁寧に仕上げ、型崩れ対策も十分
【軽さ】 3.5ランドセルの軽さ
5.0背負って軽い機能
天然皮革も人工皮革の重さは普通だが、背負って軽い機能に優れている
【容量(収納力)】
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カバンのフジタ
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17点
【種類】 16モデル 59種類
【値段】 49,000円〜98,000円 |
【丈夫さ】
5.0背負って軽い機能もトップクラス
【収納力】 |
萬勇鞄
|
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17点
【種類】 16モデル 118種類
【値段】 52,920円〜99,360円(税込) |
【丈夫さ】
【軽さ】 3.0ランドセルはやや重い。
5.0背負って軽い機能が充実。
【容量】 |
黒川鞄
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17点
黒川鞄
【種類】 15モデル 76種類
【値段】 62,640円〜213,840円(税込) |
【丈夫さ】 4.5 【軽さ】
3.0ランドセルの軽さ
5.0背負って軽い機能
【収納力】 4.0 |
羽倉ランドセル
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17点
【種類】 7モデル 32種類
【値段】 52,920円〜91,800円(税込) |
【丈夫さ】
【軽さ】
4.5背負って軽い機能は充実している。
【収納力】 |
鞄工房山本
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17点
鞄工房山本
【種類】 22モデル 94種類
【値段】 59,000円〜179,000円(税込) |
【丈夫さ】 5.0 【軽さ】 3.0ランドセルの軽さ
5.0背負って軽い機能
【収納力】 |
中村鞄
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16点
中村鞄
【種類】 7モデル 48種類
【値段】 50,000円〜88,000円 |
【丈夫さ】 4.5 【軽さ】 3.5ランドセルの軽さ
5.0 背負って軽い機能 【収納力】 3.0 |
村瀬鞄行
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16点
【種類】 34モデル 111種類
【値段】 38,000円〜118,800円 |
【丈夫さ】 5.0 【軽さ】
3.0ランドセルの軽さ
4.5背負って軽い機能
【収納力】 3.5 |
土屋鞄
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15.5点
【種類】
11モデル 57種類
【値段】
62,000円〜120,000円 |
【丈夫さ】 5.0 【軽さ】 3.0ランドセルの軽さ
4.5背負って軽い機能
【収納力】 3.0 |
ランドセルメーカー別に色数の違い
ここに表示するのは、各メーカーのモデル数(あい・愛ティアラなど)×色数=ランドセルの種類数になります。
当然ですが、同じ色が別のモデルに使われていたりしますが、メーカーや他のサイトも重複している色も重複してカウントしています。
他のサイトとの整合性をとるために、このサイトでもカラー数=ランドセルの種類数としています。
そのため、色の種類が少なくてもモデル数が多ければランドセルのカラー数が多いことになる前提で参考にして下さい。
総カラー数が多いのは、人工皮革中心のランドセルメーカーです。フィットちゃん、キッズアミ、セイバンなどです。萬勇鞄も人工皮革のタフガードのカラー数が多いために総カラー数が多くなっています。
逆に羽倉ランどセルの総カラー数(モデル数×色の数)が最も少ないんですが、それだからといって選ぶ対象から外す必要は全く無いと思います。
総カラー数が少ないのは、自然皮革だけで製作していることとモデル数が5種類という少なさが原因。自然皮革は人工皮革に比べて染めにくいのでカラー数が少ないのも当然といえます。
総カラー数が少なくてもその中に十分に気に入るランドセルもあるでしょう。
ランドセルの総カラー数や種類数の多さから選べば、気にいったランドセルが見つかるというわけでもない、ということですネ。
ランドセルの値段(価格帯)の違い
ランドセル購入は小学校入学のための大事なイベント。そのため、高額だから購入しないということは少ない。それにランドセルの購入資金は70%程が祖父母だそうですから、尚更です。
ランドセルの値段はメーカーによって違います。人工皮革は比較的安価で牛革などの自然皮革はそれよりも高額というふうに素材によっても違いがあります。
そして牛革で製作してもメーカーによって価格に違いがあります。
ランドセルメーカー別に最低の値段(価格)の安い順に並べ最高の値段(価格)もわかるようにしました。確認して下さい。
工房系の自然皮革のランドセルは比較的高額ですし、専門系の人工皮革は比較的安価です。
丈夫なランドセルは厚い素材や高級素材を使うため、高額になり重くもなるという点もあります。
各メーカーの最安値と最高値でグラフを作ったので参考にしてください。メーカー名が読みづらいですが、表の順番で並んでいます。
後悔!母と子がランドセル選びで重視したポイント | 色、デザイン重視を反省
最近のランドセル選びの傾向はどうでしょうか。
☆2015年の春に小学校に入学する子供を持つ母親100人
☆過去にランドセルを購入した経験のある母親100人
お母さんが子供の頃のランドセルと比べてランドセルの色は圧倒的に増え、A4フラットファイル対応ランドセルの大きさに驚くお母さんが多かったのは過去の事で、今では当たり前です。お母さんと子供のランドセル選びはその状況が大きく変わっています。
まず母親と子供がランドセル選びで重視した点はなんだったか調査結果を参考に見てみましょう。
ランドセル購入で重視した点(母親と子供のそれぞれ)
ランドセル購入で重視した点 |
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母親 |
1位:丈夫さ(59%) 2位:色(56%) 3位:価格(54%) 4位:6年間使える事(38%) 5位:軽さ(38%) 6位:収納力(27%) |
子供 |
1位:色(88.2%)、 2位:飾り(37.2%) |
上の表は2015年の母と子供の重視した点で、2016年でも子供のパーセンテージは殆ど変わっていないでしょう。
しかし母親の方は変化しています。母親の7割程度が、子供の色を重視する考えを尊重して、ランドセルを選んでいます。
ランドセル選びの主導権は親から子供へ移行しています。ただ、どこのメーカーのランドセルを購入するか、クラリーノか牛革かなどは親が決めています。
母親が答えた。もう一度ランドセルを購入するとしたら重視したいポイント
- 「丈夫さ」56%
- 「軽さ」48%
- 「価格」40%
- 「収納力」40%
の順番
一度ランドセルを購入したお母さんが、子供が使ってみて色々と考える事があったんでしょう。購入前に2位だった色は6位(36%)にランクダウンしました。
子供の色重視を後悔しているという結果はこれから購入するお母さんに参考になるでしょう。これは色を最重視する前に、もっと重視した方が良いポイントに気づいたということだろうと思います。
丈夫さと価格は購入前と変わらず重視しています。
特筆すべきポイントの一つは「軽さ」重視のお母さんが増え、もう一度ランドセルを購入するとしたら「軽さ」をより重視すると考えています。
学習指導要領の改訂で教科書が全体で1,000ページ増え重くなっているからかもしれません。更に2020年には改訂を控えています。
何年生のお母さんたちにアンケートをとったのかが不明なのですが、体格の大きな高学年の子供を持つお母さんならそれほど「軽さ」を重視しないのではと考えられます。
「軽さ」を重視した情報がもう少し欲しいところです。
このサイトでは一貫して「軽さ重視」に走って600g〜800gなどの軽いランドセルを選ぶと、耐久性や必要なパーツの省略などがあるのでやめましょうと伝えています。
最低でも1,000gは必要だと主張しています。背中や肩にぴったりしたランドセルは多少重くても、「体感重量が軽い」とも伝えています。
私の身近なママ達に聞くと2〜3年生になれば、重い軽いなんて関係ないといいますから、そのうち大した問題ではなくなるだろうなとは予測がつきます。
ランドセル選びで重視すると答えたポイントについて
丈夫さ(56%)
丈夫さは、素材、縫製、固定板を大マチ上部に入れるなどして強化対策をしているか、等によって決まります。
素材は主には皮革の質、縫製は一目一目綺麗に揃っているか、直線が美しく縫ってあるかなどをチェックします。
めったにありませんが、時として糸がほつれていることもあります。また、金属にするところを似せたブラスティックにしてあったり、素人では見分けがつきにくいのです。
ランドセルを横から見える大マチ。その大マチの最上部*(参考ランドセルの3種類のA4サイズ)を押したり、握ったりしてみて下さい。
丈夫なランドセルは変形しませんが、この部分にしっかりとした芯材が入っているかどうかで、型崩れを起こすかどうかが決まります。
鞄工房山本では、ランドセル本体を傷つきにくくするために敢えて箱型(キューブ型)でなく学習院型にして大マチの上部にしっかりとした芯材が入っています。
参考)キューブ型と学習院型の内容量
鞄工房山本ランドセルの特徴2017年度
次に背カンのプラスティック部分の薄いところが問題となりやすいです。
良くこの部分が折れてしまっているのでプラスティックは良くないなどと言う方がいます。
プラスティックといってもエンジニアリングプラスティックであって殆どのメーカーがプラスティックを使っています。
耐性は金属と変わりありません。
金属だと背負心地に問題があるので強度のあるプラスティックにしてあります。
このプラスティックが粗悪かどうかが問題です。
フィットちゃんのように何万回も耐用試験をして使っているプラスティックは金属と同じレベルにあります。
だから信頼のおけるメーカーから購入する事のが重要なんですね。
安いランドセルには理由があるというのは、こういった普通の人が気づかないような所に違いがあるからです。
動く背カンも壊れやすいということはありません。
むしろ動かない背カンは、成長して窮屈に背負ったりすると背カンと肩ベルトに無理な力が加わるので問題が生じやすいのです。
できれば、肩ベルトと背カンの間に三角の形をした「金属カン=三角カン」があれば、負担を吸収してくれるので壊れにくくなります。
三角カンは前後に動くことで負荷を吸収するようになっています。
ただ安いランドセルはこの三角カンもプラスティックの事があるので注意してください。
- 素材の強度
- メインポケット、サブポケット、前ポケットの容量の合計が収納力
- 背カンが左右に開くことで背中に密着する。
- 肩ベルトの内側と背あての通気性とクッション性が重要
ランドセルのメインポケットの内寸が重要。横幅が230oより広ければ、A4フラットファイルが入ります。A4フラットファイルが入るには、最低でもランドセル内寸の横幅は230mm必要です。
背カンだけでなく、肩ベルトと背あても「背負って軽く感じる機能」に関係が深いパーツです。
ランドセルの軽さはランドセルの重さと背負って軽い機能の2つで決まる
何度も書いているように、単に軽い事が重要なわけではなく、背負ったときに軽く感じる「体感重量」が重要です。
肩に重さの殆どががかかると「体感重量は重い」。
肩、腰、背中などに分散されると「体感重量は軽く」感じます。
また中に入れる物を工夫して軽量化することで、通学時のランドセルの総重量を軽減できます。
購入するランドセルを選ぶのは誰?
子供と回答した人が48%、両親が41%。ランドセルは子供と両親双方を満足させることが求められています。
実際にランドセルを購入するのは祖父母が多い事が分かりました。
ある調査では祖父母が51%。父親・母親が41%です。
ランドセルを購入する時期はいつ
ランドセルはお盆の帰省時に購入する事が多いようです。
人気の色やランドセルが売り切れないうちに注文する傾向が段々強くなり、現在では夏休み以降、お盆あたりが販売のピークになっています。
(*2017年度にはゴールデンウィークをランドセル商戦を始めるために、メーカーでは早期販売開始の傾向が強くなっています。)
おじいちゃん、おばあちゃんに買ってもらう事が多いので、クリスマス前に買うとしたら、お盆の帰省時に予約・購入となるようです。
ランドセルが一番売れる時期
近年では8月から10月が一番売れています。
昔はお正月前後、その後8月から10月、2017年度ではお盆が販売のピークです。(*2015年度、2016年度では7〜8月の頃がピークだったようで、少しずつ前に移行しているようです。)
流石に5月のゴールデンウィークでたくさん売れる事は無いようですが、販売側の前倒し傾向はどんどん強くなり、それに消費者が乗せられています。
しかしこれ以上早く買いたくない意識が購入側にあるので、これ以上は早期化しないように見ています。
ただ日本人は雰囲気に流されやすいので、本当の所は分かりません。
ランドセルを分類しての違いをはっきりさせる
ランドセルを大きく分類して比較するには、メーカーの特徴で分類するのが適当でしょう。
気に入ったランドセルを直接選ぶのでなくメーカーを選んでからランドセルを選ぶ方がが多いのではないでしょうか。
販売している業者はかなり多く全てを把握することは難しいのですが、話題に良くあがるランドセルメーカーを分類してみました。
人工皮革ランドセル大手専門ブランド
人工皮革を中心に大量(数万〜数十万個規模)に生産する大手専門ブランド(自社生産)代表的なブランドがフィットちゃん、天使のはね、ララちゃん等です。
特にフィットちゃんと天使のはねは、OEMで百貨店オリジナルモデルなども生産しているトップメーカーです。ランドセル専門メーカーとしての販売量は圧倒的です。
フィットちゃん
2017年度は38種のカラーで137種類のランドセルと選択肢が非常に広い。A4フラットファイルを中心にA4クリアファイル対応ランドセルも存続させて選択範囲の幅を広げています。
フィットして軽い、可愛い女の子のキャラクターで有名になったランドセル専門メーカーで30万もの生産量があります。
子供の事を中心にランドセルを開発。子供標準で常に子供の体にフィットするランドセルを追及しています。
現在力を入れているのは、安ピカッタイプ。車から子供たちを守るというコンセプトがあります。
天使のはね
モデルロイヤルを中心してランドセルを展開。フィットちゃんと同等の販売量を誇るトップメーカーです。
天使のはねというネーミングのように背負って軽い肩ベルトの独特な構造があり、体にフィットするランドセルを展開しています。
色使いやデザインは可愛らしいティアラやハートマークでも落ち着いた雰囲気をもっています。
ララちゃん
>
ララちゃんのランドセルは、それぞれに個性があり色使いとデザインが秀逸です。子供らしいけど幼すぎない可愛らしさは小学校を卒業するまで喜んで背負っていくランドセルです。
ランドセルの種類こそ少ないのですが、個性がはっきりとしているのでランドセルの決定までにあれこれ迷うことも少ないと考えられます。
また価格帯も4万円だから5万円少しの幅で、6万円もするランドセルが無い割安なランドセルです。
色とデザインさえ好きになれれば機能的には十分合格しているレベルですし、素材のベルバイオ5は本革のような光沢があります。。
工房系ランドセルメーカー
自然皮革を中心に数千〜2万単位で生産する工房系ブランド(自社生産)で根強い人気があります。
人工皮革(合成皮革)にはない洗練された職人の技術が生きているので、工芸品としての品質も高いものが多いです。
鞄工房山本
自然皮革でランドセルを作っている工房系メーカーの中でも特に人気が高いメーカーです。
毎年販売開始後2〜3か月後で販売終了するほどです。
萬勇鞄
1950年創業の老舗の工房系ランドセルメーカーです。2017年度はオーダーメイドを廃止した代わりに、ランドセルの種類を男女各2種類ずつ増やしました。
萬勇鞄2017年度の全ランドセルと変更点を参照してください。
土屋鞄
工芸品としても美しいランドセルで、見る人を魅了します。子供子供していない洗練された美しさがあります。
土屋鞄公式サイト http://www.tsuchiya-randoseru.jp/
池田屋のぴかちゃんランドセル
デザイン、耐久性、収納力、重さ、使いやすさ、安全性を追及して使う量産品では決してできない、子供の立場で製作しているランドセルです。
池田屋の公式サイト https://www.pikachan.com/
中村鞄
牛革、コードバンに加えてベルエースという人工皮革でも生産しています。サイズはA4フラットファイル対応。横幅232×奥行113×高さ310oです。
早期割引があります。例えばベルエース パステルクラシック 51,000円 ⇒ 46,000円 のように全てのランドセルに早期割引が対応します。
中村鞄の公式サイト https://www.nakamura-kaban.net/
流通大手のランドセル
流通大手が委託生産させたランドセルを自社ブランドで流通させているブランド(委託生産)見た目はともかく、品質的には大手専門ブランドを超えている所までは行っていません。
イオンのカルスポランドセル
例えばイオンやイトーヨーカドーなど流通大手がランドセル業界に進出してきてからそれほど時間経過していません。
新規参入組ですが、流通大手として流通販売網を生かして、TVCMなどで人気を獲得してあっという間に市場シェアのかなりを獲得したのです。
現在のランドセルの流行を作り出した面もあります。イオンが数年前に24色ランドセルを販売したのが、現在の豊富なランドセルカラーのバリエーションを流行らせるきっかけになりました。
さらにA4フラットファイル対応で990gの超軽量のランドセルも作らせているのも、軽いランドセルを欲しがるお母さん方には好評でしょう。またA4フラットファイル対応だけに限定したのも、イオンのカルスポランドセルでした。
新規参入組にもかかわらず、気づいてみればランドセル業界の牽引役となっている面もあるので、今後の動向に各ランドセルメーカーはアンテナを張っていることでしょう。
価格は4万円台から14万円台と幅が広いです。
イトーヨーカドー
イトーヨーカドー公式サイト http://www.itoyokado.co.jp/special/fashion/schoolbag/index.html
早期割引き10%などがあります。価格的には5万円未満から7万円台まであるので、天使のはねと同等の価格設定です。フィットちゃんランドセルも扱っていますが、ハシモトのフィットちゃんは「あい・愛ティアラ安ピカッタイプ」だけで他のフィットちゃんは違います。
それにハシモト(ラポンテ)のフィットちゃんで購入した方が6千円安いです。他のフィットちゃんは「フィットちゃん背カン」を使っていることだけがフィットちゃんという名称の理由なので、谷花音ちゃんのフィットちゃんだと誤解しないように、注意してください(品質が劣っているという意味ではありません)
ニトリ
ニトリランドセル公式サイト http://www.nitori-net.jp/store/ja/ec/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%BB%E3%83%AB
ニトリは東南アジアで生産委託をして安い品物を販売している流通大手ですが、ランドセル業界にも進出しています。有名なのはわんぱく組という2万〜3万のランドセルです。
一万円代からあるのは驚きですが、ランドセル専門店レベルとは全く違うので、安さと性能の両方を求める事はできません。
- 2016年度は全てがA4フラットファイル対応ランドセルになりました。
- A4フラットファイル対応のみのメーカーとA4クリアファイル対応も残しているメーカーとがあります。
- A4フラットファイル対応のみは鞄工房山本と萬勇鞄
- A4クリアファイル対応も残しているのはフィットちゃんとララちゃん
- ランドセルの種類が最も多いのはフィットちゃんの171種類
- A4フラットファイル対応で最も容量の大きいのは萬勇鞄