鞄工房山本のランドセル一貫製造体制@型入れから〜貼り合わせまで
鞄工房山本のランドセルの製造の実際に興味があります。6分少しの動画で一貫製造工程が良くわかります。
製造工程を明らかにしているところが自信の表れのような気がします。
@型入れ
革の繊維を見極めて、ランドセルのパーツの型をつくる。
天然皮革の型入れは熟練した観察眼と技術が要ります。
工房主の山本氏が「型入れ」を行っています。
A裁断
型入れの通りに、専用の裁断機で裁断をします。山本氏が型入れした「かぶせ、大マチ、前段、小マチ」を油圧式の裁断機や
CAD-CAMで裁断して、それ以外の裁断は、特徴にあった裁断機でそれぞれ裁断されます。
B割り
裁断された革を適切な厚さに割ります。
革の厚みは2.2~2.3ミリの厚みから1.2~1.8ミリまで割ります。
C漉き(すき)
適度な厚さのパーツをさらに薄く漉きます。
漉き幅、漉き厚、漉き角度が仕上がりにとても重要です。
漉きの均一性と傷のチェックを行う工程です。
Dのり付け
パーツを貼りあわせる準備を丁寧にします。
ランドセルのパーツによって
使う機械とハケを使い分けて、のりをつけます。
Eはり合わせ
革と裏地の貼りあわせを慎重に行う
のりを付けたパーツを貼り合わせます。
はりなおしはできませんから、慎重さが必要です。
鞄工房山本のランドセル一貫製造体制Aキザミから仕上げまで
キザミ
本体の角はデリケートな曲線になっており、
全体のフォルムに大きな影響を与えます。
左右対称の綺麗な扇形に丁寧な職人の技術で仕上げます。
手縫い
一針ひとはり丁寧な縫いの技術が必要です。
特に負担の大きな部分には手縫いが
必要となります。
まとめ縫製
文字通り、これまでに作られた多くのパーツをまとめる工程です。
5寸釘のような太い針で縫い上げます。上糸と下糸を強く締めて美しく仕上げています。
仕上げ
最後の工程です。
丁寧に拭く作業と隅ずみまでのチェックを行います。
鞄工房山本のランドセル一貫製造体制Bコバ塗りかぶせから前段まで
F.コバ塗りかぶせ(面取り)
コバ塗りの下地をつくります。
イタリアのバフィングマシンが活躍する工程です。
ダイヤモンドディスクで面取りをしたあとに
木目のディスクで本革の繊維をしめます。
G.コバ塗りかぶせ{コバ仕上げ(ニス塗り)}
Fで下地作りを行ったコバ面にニスを何重にも塗っていきます。
コバ面のニスは3回塗り重ねます。
下塗り、本塗り、仕上げ塗りの3回塗りをして、ニス磨きと合わせた作業を行い、コバ面を美しく仕上げていきます。
Hコバ塗りかぶせ{コバ仕上げ(磨き)
仕上げなので丁寧に磨き上げて、美しいコバ面にします。
ニスを下塗りした後、コバを磨き、本塗りしてもう一度コバを磨きます。
コバ面はざらついているので、強くもなく、弱くもなく適度な力で磨き
目視と手ざわりで確認をします。
鞄工房山本の評判を高めるコバ塗りは
称賛に値する仕上がりとなっています。
Iコバ塗りかぶせ(縫製)
ミシン目(ピッチ)をそろえて丁寧に縫います。
ドイツ製の厚物専用ミシンを使い、まとめ縫製と同じ
0番の極太の糸で縫います。
太い糸で曲線や正確なピッチで縫い上げるのは
鞄工房山本の職人ならではの高度な技となります。
J前段・ヘリ返し
へりを丁寧に返して縫います。
6年の使用に耐えられるように革は、ランドセルの職人によって
厚く固く仕上げられます。
曲線であっても固い革を芯材に合わせて綺麗にへりを返していきます。
K前段(ファスナー貼り)
ファスナーを綺麗に貼り付けます。
前段のカーブに沿いファスナーを乱れず綺麗に貼り込んでいきます。
L前段(ファスナー縫製)
曲線をミシンで縫い上げるには鞄職人の
技術が必要です。
革職人ならではの優れた技術が発揮されます。