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鞄工房山本の山本社長が自社を語る〜こだわりの手作業でランドセルづくり〜

 

鞄工房山本の山本社長

 

奈良県橿原市の鞄工房山本といえば非常に信頼度の高いランドセル工房です。50年前から、ずっと変わらす手作業で丁寧にランドセルを作っています。

 

今やその人気は凄くて、品質デザイン共に評価が高いのは勿論ですが、売り切れないうちに購入するお母さん方で販売開始時はごった返し、まともにランドセルを手に取れないほどです。

 

鞄工房山本の発足

 

1949年に先代の山本庄助さんが兄と一緒に大阪でかばん製造業を設立。

 

これが、鞄工房山本の始まりでした。戦後間もなくは革不足でだったので材料の仕入れすらままならなかったといいます。

 

奈良県は比較的革が入手しやすかったので、会社を移転したそうです。驚いたことに独学で一からランドセルを製作する技術を習得したといいます。

 

それで1967年に一人でランドセル専業の会社を始めたそうです。

 

子供人口の減少と人工皮革の登場で痛手

 

先代のときは自社販売はなかったそうです。全て問屋に卸したそうです。でもその頃は子供人口が多かったので、作っただけ売れたそうです。

 

しかし、徐々に子供の数が減少してくるし、1960年代にクラリーノのような安い人工皮革で作ったランドセルがあっという間に普及したそうです。当然山本の天然皮革のランドセルの売り上げが減ってきました。

 

山本一彦社長は「入社した1978年ごろは関西には約40社のランドセルを作る会社があったが、現在は6社しかはいほど厳しい状況だった」と当時を語っています。

 

1年目は260個しか売れなかった

 

そこで社長を引き継いだ次の年である2000年に問屋に卸さず自社で販売を始めたそうです。まだインターネットがもあまり普及していない頃だったため、ダイレクトメールで宣伝したそうです。

 

当時は1年目の売り上げはわずか260個、2年目で320個と売り上げは全く不調だったそうです。

 

そこで、「日本で一番良いカタログを作ろう」と、鞄工房山本のランドセルの特徴やこだわりを分かりやすく詳細に解説したカタログを作成しました。。その効果は抜群だったそうです。。3年目の売り上げは730個に増え、4年目は1070個と売り上げが大幅に増えていったそうです。

 

2011年に一度売り上げは落ちたそうです。.それ以外の年は、毎年売り上げ3割増という右肩上がりの成長を続けて現在があります。

 

2015年度は1万4千個を販売したそうです。受注は13,000個と聞いていたのですが、1,000個を追加したようですね。2016年度は6月中旬の注文開始から1カ月で生産予定数が売り切れたのは記憶に新しいところです。

 

3年後には2万個が目標とのことです。

 

躍進の秘訣は丁寧さと職人魂

成長の原動力。それは先代から変わらない手作業による丁寧なランドセル作り。これに尽きます。「職人はどんな時代になっても良いものをつくるのが使命」という先代の言葉を守り、材料は全て国産品。外国に外注などしない。高級紳士かばんと同じという技法で、丁寧に仕上げていく。

 

鞄工房山本のランドセルはつなぎ目が無い革を使っている

6年間安心して使鵜ことができるように、各パーツはつなぎ目のない(シームレス)1枚革を使っています。ランドセルの角の部分は革がたるまないよう、放射状に均一にしわを寄せていく「キザミ」と呼ばれる手間のかかる技法を用いています。

 

革の裁断面はニス塗りと磨きを繰り返す「コバ塗り」で高級感のある美しい仕上げです。

 

子供用であっても一切手を抜かない誠実で堅実なものづくりの姿勢が、これまで多くの人から選ばれた理由です。

 

効率化も取り入れる柔軟さ

 

それでいて、2万個を目指すのなら、効率化を図ることも必要。そのために本に1台しかないという裁断機を2500万円かけて導入したそうです。

 

革の裁断を一部自動化して圧倒的に時間を短縮したのです。これまで8時間もかかっていた100セットの裁断を5時間に短縮できたそうです。

 

また、注文数の増加に対応しようと、今年度から人工皮革の製品もラインアップに追加という驚きの発表がありました。。

 

9月からは、財布や名刺入れなどの革製小物の販売も予定しているそうです。 「どれだけ売り上げが上がっても、子供には世界に一つしかないランドセル」と語る山本社長。ものづくりにかける情熱は職人魂そのものに思えます。

 

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