小学校入学前に算数の準備をしてみませんか
ランドセルを背負って小学校に入学するということは、集団での「保育」から集団での「教育」の場に入るということです。
算数に苦労する新1年生は割と多いようです。小学校低学年の算数と言えば、足し算、引き算、掛け算、割り算など四則計算ができれば良いと思いがちですが、現在の算数は「計算の仕組み」を重視しています。つまり「そうなる理由」を理解していないと、計算手順や計算の仕組みが理解できなくなるんです。
小学校学習指導要領における算数の目安
小学校1年生の授業時間数
1年生総授業時間数 | 850時間 | 6年生 980 |
国語 | 306 | 175 |
算数 | 136 | 175 |
生活 | 102 | 無し |
音楽 | 68 | 50 |
図画工作 | 68 | 50 |
体育 | 102 | 90 |
道徳 | 34 | 35 |
特別活動 | 34 | 35 |
表を見ると1年生の授業の中で算数の授業時間は国語に続いて多い事がわかります。もし一旦躓いたら分からないことが積み重なってしまいます。
1年生の算数でできるようになる目標は13項目あります。入学するまでに1〜6はできる事が必要です。
小学校算数の新旧の比較
では実際に1年生で学ぶ算数の内容についてみてみましょう。平成20年度までに比べてかなり増えています。数量関係や算数的活動などは平成20年度以前には無かったものですし、それだけではなく各領域の内容も増えています。
例えば、数と計算では簡単な3位数、数を十を単位としてみる、簡単な2位数などの加法・減法が新しく追加され、量と測定では面積、体積の基礎経験、図形では平面図形などが追加されています。
これらを簡単にまとめてみると、新1年生の算数の学習要領は次のようになります。1〜6までは入学するまでにはできるようになっていれば、新1年生になって算数についていけない事はないでしょう。
8や12と13、時計は読めなくても生活している時間を時計を使って理解できるようにはなるでしょう。先取りで多くを学ぶという意味では無くて数に対する感覚を養っておくという意味です。
- 1対1で対応させて物の個数を比較する
- 個数を数えられる
- 順番を数えられる
- 数の大小を比較して順番に並べる
- 数の分解と合成
- 10を超える数の理解
- 2桁、3桁の丁度の数が読める
- 10のカタマリで数を数えられる
- 足し算と引き算ができる
- 大きさ、広さ、かさ(量)を比べられる
- 時計を読める
- 物の形の区別ができる
- 前後、上下の位置関係がわかる
数に対する感覚を養うための準備
3+2=5が幼児向けの算数のプリントでできたとしても安心してはいけません。計算ができても、その答えになる「理由」が分からない子供はたくさんいます。そうするとやがて算数についていけなくなります。
3+4=7ができる子供に対して、3の次の数は?3よりも4多い数は?と聞いても分からない子は沢山います。+2の意味が分かっていないからですね。計算はできても文章題はできないという子供が多いのは内容を理解できていないからです。
日頃から数遊びをしてみましょう。数に対する感覚はお風呂に入って声に出して100数えるまで湯船から出ないとか、100から1まで逆に数えるなどして遊べば、数の感覚が養われます。
お菓子の数を数えてみるとか、トランプで遊びながら数に慣れるなど、生活の遊びの中でいくらでも数に対する感覚は養う事ができます。
1対1で対応させて物の個数を比較する
「1対1で対応させて物の個数を比較する」事は具体的にどういうことなのかについてお伝えします。
画像を見ると可愛らしいカエルや蝶々、ハチなどがいますね。例えばカエルの集まりと浮草の集まり。1匹のカエルに1つの浮き草を対応させることを1対1に対応させるといいます。
昔はこのように1対1の対応で多い、少ないの判断をしていたと考えられます。
このような1対1の対応がもとになって数が生まれる、そうすればどんなことでも数に置き換えられて比較することができるようになります。大人に取って当たり前の事を「なぜそうなるのか」から理解させるのが新1年生の算数で重要です。