母と子がランドセル選びで重視するポイント
今年のランドセル選びはどのような傾向があるでしょうか。
☆2015年の春に小学校に入学する子供を持つ母親100人
☆過去にランドセルを購入した経験のある母親100人
お母さんと子供でランドセル選びますが、その状況は大きく変わってきています。
その理由は母親が子供の頃のランドセルと比べてランドセルの色は圧倒的に増えたし、A4フラットファイル対応ランドセルなど、収納力の増加に驚くお母さんが多かったのは少し前の事で、今では当たり前になっています。
☆そんな現在、母親と子供がランドセル選びで重視した点はなんだったかを調査結果を参考に見てみましょう。
ランドセル購入で重視した点(母親と子供のそれぞれ)
ランドセル購入で重視した点 |
|
母親 |
1位:丈夫さ(59%) 2位:色(56%) 3位:価格(54%) 4位:6年間使える事(38%) 5位:軽さ(38%) 6位:収納力(27%) |
子供 |
1位:色(88.2%)、 2位:飾り(37.2%) |
上の表は2015年の母と子供の重視した点で、2016年でも子供のパーセンテージは殆ど変わっていないでしょう。
しかし母親の方は変化しています。母親の7割程度が、子供の色を重視する考えを尊重して、ランドセルを選んでいます。
ランドセル選びの主導権は親から子供へ移行しています。ただ、どこのメーカーのランドセルを購入するか、クラリーノか牛革かなどは親が決めています。
母親が答えた。もう一度ランドセルを購入するとしたら重視したいポイント
- 「丈夫さ」56%
- 「軽さ」48%
- 「価格」40%
- 「収納力」40%
の順番
一度ランドセルを購入したお母さんが、子供が使ってみて色々と考える事があったんでしょう。購入前に2位だった色は6位(36%)にランクダウンしました。
子供の色重視を後悔しているという結果はこれから購入するお母さんに参考になるでしょう。これは色を最重視する前に、もっと重視した方が良いポイントに気づいたということだろうと思います。
丈夫さと価格は購入前と変わらず重視しています。
特筆すべきポイントの一つは「軽さ」重視のお母さんが増え、もう一度ランドセルを購入するとしたら「軽さ」をより重視すると考えています。
学習指導要領の改訂で教科書が全体で1,000ページ増え重くなっているからかもしれません。更に2020年には改訂を控えています。
何年生のお母さんたちにアンケートをとったのかが不明なのですが、体格の大きな高学年の子供を持つお母さんならそれほど「軽さ」を重視しないのではと考えられます。
「軽さ」を重視した情報がもう少し欲しいところです。
このサイトでは一貫して「軽さ重視」に走って600g〜800gなどの軽いランドセルを選ぶと、耐久性や必要なパーツの省略などがあるのでやめましょうと伝えています。
最低でも1,000gは必要だと主張しています。背中や肩にぴったりしたランドセルは多少重くても、「体感重量が軽い」とも伝えています。
私の身近なママ達に聞くと2〜3年生になれば、重い軽いなんて関係ないといいますから、そのうち大した問題ではなくなるだろうなとは予測がつきます。
ランドセル選びで重視すると答えたポイントについて
丈夫さ(56%)
丈夫さは、素材、縫製、固定板を大マチ上部に入れるなどして強化対策をしているか、等によって決まります。
素材は主には皮革の質、縫製は一目一目綺麗に揃っているか、直線が美しく縫ってあるかなどをチェックします。
めったにありませんが、時として糸がほつれていることもあります。また、金属にするところを似せたブラスティックにしてあったり、素人では見分けがつきにくいのです。
ランドセルを横から見える大マチ。その大マチの最上部*(参考ランドセルの3種類のA4サイズ)を押したり、握ったりしてみて下さい。
丈夫なランドセルは変形しませんが、この部分にしっかりとした芯材が入っているかどうかで、型崩れを起こすかどうかが決まります。
鞄工房山本では、ランドセル本体を傷つきにくくするために敢えて箱型(キューブ型)でなく学習院型にして大マチの上部にしっかりとした芯材が入っています。
参考)キューブ型と学習院型の内容量
鞄工房山本ランドセルの特徴2017年度
次に背カンのプラスティック部分の薄いところが問題となりやすいです。
良くこの部分が折れてしまっているのでプラスティックは良くないなどと言う方がいます。
プラスティックといってもエンジニアリングプラスティックであって殆どのメーカーがプラスティックを使っています。
耐性は金属と変わりありません。
金属だと背負心地に問題があるので強度のあるプラスティックにしてあります。
このプラスティックが粗悪かどうかが問題です。
フィットちゃんのように何万回も耐用試験をして使っているプラスティックは金属と同じレベルにあります。
だから信頼のおけるメーカーから購入する事のが重要なんですね。
安いランドセルには理由があるというのは、こういった普通の人が気づかないような所に違いがあるからです。
動く背カンも壊れやすいということはありません。
むしろ動かない背カンは、成長して窮屈に背負ったりすると背カンと肩ベルトに無理な力が加わるので問題が生じやすいのです。
できれば、肩ベルトと背カンの間に三角の形をした「金属カン=三角カン」があれば、負担を吸収してくれるので壊れにくくなります。
三角カンは前後に動くことで負荷を吸収するようになっています。
ただ安いランドセルはこの三角カンもプラスティックの事があるので注意してください。
軽さ
何度も書いているように、単に軽い事が重要なわけではなく、背負ったときに軽く感じる「体感重量」が重要です。
肩に重さの殆どががかかると「体感重量は重い」。
肩、腰、背中などに分散されると「体感重量は軽く」感じます。
また中に入れる物を工夫して軽量化することで、通学時のランドセルの総重量を軽減できます。
購入するランドセルを選ぶのは誰?
子供と回答した人が48%、両親が41%。ランドセルは子供と両親双方を満足させることが求められています。
実際にランドセルを購入するのは祖父母が多い事が分かりました。
ある調査では祖父母が51%。父親・母親が41%です。
ランドセルを購入する時期はいつ
ランドセルはお盆の帰省時に購入する事が多いようです。
人気の色やランドセルが売り切れないうちに注文する傾向が段々強くなり、現在では夏休み以降、お盆あたりが販売のピークになっています。
(*2017年度にはゴールデンウィークをランドセル商戦を始めるために、メーカーでは早期販売開始の傾向が強くなっています。)
おじいちゃん、おばあちゃんに買ってもらう事が多いので、クリスマス前に買うとしたら、お盆の帰省時に予約・購入となるようです。
ランドセルが一番売れる時期
近年では8月から10月が一番売れています。
昔はお正月前後、その後8月から10月、2017年度ではお盆が販売のピークです。(*2015年度、2016年度では7〜8月の頃がピークだったようで、少しずつ前に移行しているようです。)
流石に5月のゴールデンウィークでたくさん売れる事は無いようですが、販売側の前倒し傾向はどんどん強くなり、それに消費者が乗せられています。
しかしこれ以上早く買いたくない意識が購入側にあるので、これ以上は早期化しないように見ています。
ただ日本人は雰囲気に流されやすいので、本当の所は分かりません。