ランドセルの重さと素材を選ぶ時のポイントは荷重分散。ここ大事
軽いランドセルが一番大事というように、数年前までは「軽さ」を最重要視していましたが現在では極端な「軽さ重視」は少なくなりました。
しかし、そうはいっても、親の気持ちとして小さな我が子に重いランドセルを背負わせたくない気持ちは当然のことです。
重さに関してどう考えてランドセル選びに臨んだら良いのでしょうか。
この記事の要旨
- 軽すぎるランドセルの5つの問題。
- 丈夫な素材は重いので「重い」ことはデメリットではない
- 重さを問題にするよりも荷重分散が重要
- リュックが軽く背負えるという全くの誤解
- ハネッセルの登山リュックの技術
- 子供の成長と基礎体力の低下
軽すぎるランドセルが選ばれない5つの理由
- 軽すぎるランドセルは素材が薄くて壊れやすい
- 金属に見えるパーツがプラスティックだったりする
- 構造体の一部が省略されて壊れやすい
- 軽くなくても子供が好きなランドセルを重視するので「軽さ」は2の次
- ランドセルそのものは重くても背中にフィットするランドセルは背負うと重く感じない
今では信じられませんが、以前は600g台の極端に軽いランドセルがありました。しかし徐々に売れなくなり現在の最軽量は、「ふわりぃ」の900g前後のランドセルです。
お母さんたちが600g台という軽いランドセルを購入した理由は、子供に少しでも負担をかけたくないという親心からですが、5つの問題が口コミで広がると、売れなくなりました。
1キログラム以下のランドセルもありますが、専門ショップでは1〜1.5キロのものをすすめてきます。余りに軽いと強度が弱いので、6年間という長期間の使用には耐えないということでした。
丈夫な素材は重いので「重い」ことはデメリットではない
丈夫な素材ほど重いです。クラリーノランドセルは1,100g〜1,200g前後が平均的な重さです。クラリーノ中でもタフロックは重く傷に強い丈夫なクラリーノです。
素材の種類だけでなく、素材の厚みも一定以上必要ですから、「牛革なのに軽いランドセル」は素材の厚みが薄いのかも知れないと考えるべきです。
丈夫なクラリーノタフロックなどは重くても「丈夫」ですし扱いやすいので、人工皮革のメリットは捨てがたいですよね。丈夫なランドセルは重いのですから、子供に負担をかけない機能があるのか無いのかを調べた方が良いです。
下の表で言えば、丈夫なクラリーノはタフロックやレミニカです。さきほども触れたように、タフロックは非常に丈夫で傷がつきにくい素材。タフロックを使ったプレミアムゴールドは重くなります。
重くなるとはいっても、1,270gと1,160gと110gの差は、スマホの重さ程もありません。教科書を入れて背負う時、スマホ1つの重さの違いが問題になるでしょうか。
人工皮革よりも牛革、コードバンの順に丈夫です。人工皮革<牛革<コードバン。牛革やコードバンを選ばなくても信頼できるメーカーの人工皮革であれば6年間は壊れず綺麗に使えます。
牛革やコードバンのランドセルは、丈夫さよりも「本革の味」で選ばれています。
耐久性・耐傷性
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牛革ランドセル:自然皮革:ランドセル本体は多少重いが問題ではありません。
1,450g
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エアヌール(東レ):クラリーノよりもワンランク上の耐久性(勿論防水性は高い)に富んだ素材
ハネッセル1,350g
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クラリーノタフロック(クラレ):レミニカよりも更に表面強度が強い
プレミアムゴールド1,270g
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ロイヤルローズパール1,220g
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フットボーイ1,160g
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昔の人工皮革は傷つきやすかったが今は丈夫
昔の軽いクラリーノは傷がつきやすく、6年間で外見的にはボロボロになっていました。それと比較して今のクラリーノのランドセルがボロボロにならないのは、昔のクラリーノとは違うからです。
ボロボロは美しくないし、お客さんが離れていきますから、各メーカーは傷に強い素材を開発してきました。クラリーノはクラレが開発した素材。ベルバイオはカネボウが開発した素材。エアヌールは東レグループです。
丈夫さなどに大きな違いはなく、開発したメーカーによって名前が違うと思って貰えば良いです。
重さを問題にするよりも荷重分散が重要
下はキッズアミの「ウインディソフト」という背あてです。3点でランドセルの荷重を分散する工夫がされているので、軽く背負うことができます。
このような機能を開発するのは専門系ランドセルメーカーです。工房系はその点が甘いので、革の味で選ぶのが工房系と心得ておきましょう。
重さに関しては根拠のある考え方が大事です。数字の上では多少重いようでも、体にフィットしたランドセルは、体全体で荷重分散をするようにできているので軽く感じると。ランドセルは背負って軽い機能を追求し、ほぼ完成形になっているんです。
軽いリュックの方が負担が少ないというのは全くの間違い
荷物が増えてランドセルが重いといって「ランドセル型のリュック」を使うところもあります。確かに入れる荷物が軽いい場合は良いでしょう。
しかし荷物が増えて重い時、背負って軽く感じる機能が殆ど無い「リュック」では肩にずっしりと重さが垂れ下がります。リュックそのものが軽くても意味がありません。
リュックがランドセルよりも500g軽いとしても、数kgの荷物を入れた時どうなるか、おそらく肩ベルトが肩に食い込むように感じたり、後ろに引っ張られるようになります。
ハネッセルは重いようでも背負えば軽い登山リュックの技術
中でも、ハネッセルのランドセルは、登山用リュックが持つ荷重分散機能をランドセルに生かしているので、かなり軽く感じます。
他のランドセルと比較する背負った時のハネッセルランドセルの軽さは際立っています。素材は重くても背負った時に軽いということです。
素材は東レグループが開発した「エアヌール」。クラリーノよりもワンランク上の素材で、相当の耐傷性があります。
重さは1,350gとなっていますが、背負うとそのまま駆け出せるほど軽く感じます。長時間の通学時間の子供にはぴったりです。
多少重く感じても背あてやベルトの構造で負担が軽減されていて体にフィット重くは感じないものです。
今は体も小さくて、何とか守りたい気持ちになるものですが、通学するうちに成長し体力も鍛えられます。余程の事情があれば別ですが、子供の事を心配する余り軽さを追い求めるのだけは一度見直すのもありでしょうね。
子供の成長と基礎体力の低下
子供は成長していき、ランドセルが小さく見えるようになるのにそれほど時間はかかりません。
しかし、一方で子供たちの基礎体力の低下が指摘されています。昔はランドセルを使わずに肩掛けカバンが使われたりしていましたが、幼い子どもの脊柱の変形の危険性もあるものでした。
少数派だった昔のランドセルは1,700gもある牛革製でしたが、子供たちは6年間背負って通学しました。
現在の子供たちは昔の子供たちと比べて圧倒的に外で遊ぶことが少なく、体力も低下しています。特に体幹の力が弱いので、昔であれば平気で背負っていたランドセルが負担になっている面も見逃せません。
子供の時期の基礎体力は一生に影響するので、もっと幼い時期から基礎体力を養うような生活が必要といえます。
背負う機能の優れたランドセルは、多少重くても体幹の力を養ってくれるという面に着目したいものです。そういった意味でも体にフィットしたランドセルが必要なのであって、リュックではダメです。
まとめ
ランドセルそのものの重さを比べてもナンセンスということは言えます。ランドセルの重さは、教科書入れて背負ってみて感じるもの。
そのランドセルが背負いやすい工夫がしてあって、わが子にピッタリだったら「軽いランドセル」なんです。
ランドセルの軽さだけを追求する必要はなく、背負って軽い機能が充実している現在のランドセルなら、1200~1,400g程度のランドセルでも選んで問題はないでしょう。
参考記事)
ランドセルだけでなく教科書の重さも合わせて考えた | 軽さよりも大事なこととは?を読んで参考にしてみて下さい。
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