ランドセルを軽く感じるように調整する | 荷物の入れ方で軽さが変わる
教科書を入れたランドセルが重いので手提げ袋に振り分けるということは良くあります。この考えは正しいようですが、重さを分散させただけで重量の合計は同じで軽くなってはいません。
それよりも荷物の数だけ重心が揺れて不安定ですし、両手が空いていないので転んだ時に危ないです。
それよりも、ランドセルに荷物をたくさん入れる。そして軽く感じるように調整する事の方が大事です。
軽く感じる対策の結論。
- ランドセルの背当てと背中の隙間をなくす(肩ベルトの長さ調整)
- 重い荷物はなるべく背中に近くに入れる。
- 重い荷物はランドセルの上に入れる。
購入する時に、「軽い、大きくない」を選ぶ基準にしたとしても、実際に満足がいくのかは、教科書を入れて登下校してみないとわかりません。
ここでは、実際にあるランドセルを背負う時に、できるだけ軽く感じる簡単な調整を中心に紹介します。
まずは、購入するときのポイントです。
背負って軽く感じるランドセルを購入するには「どこをチェック」する?
上の画像のランドセルの上部は、肩のラインよりも低い位置にあります。このようなランドセルは背負った時に重く感じます。ランドセルの重心が体の低い位置になるほど、下に引っ張る力が強くなるためです。
ランドセルの重さが同じであっても、背負った時のランドセルの重心の位置が近く高いほうが軽く感じます。
下の画像のランドセルは全て肩のラインよりもランドセルが上に出ています。これが背負って軽いランドセルを見分けるひとつの目安になります。他の目安もあるので別の機会に伝えます。
このランドセルの重心の位置は、購入したあとに調整できることではなく、メーカーによって最初から肩ベルトの取り付け位置は多少違っています。
ランドセルを選ぶ時に迷った時は、背負ってみてランドセルの上部と肩ベルトの位置を確認してみましょう。上部の位置が高い方を選ぶと軽く感じます。
鞄工房山本では肩ベルトの取り付け位置を少し高めにしてます。ランドセルの重心を上にして背負って軽く感じるようにしています。このようなランドセルを購入することで重い自然皮革でも、軽く感じます。
A4フラットファイル対応ランドセルの重さではなく背負ったときに軽く感じる事が重要だと知りましょう
クラリーノのような人工皮革で1,200g前後、牛革やコードバンのような自然皮革で1,350〜1,500g程。
1,500gの複数のランドセルがあったときに、どのランドセルも背負った時同じ重さに感じるわけではありません。
実際には教科書を入れて背負うことになるので、ランドセルだけの重さではなく背負って軽い機能がどれだけあるかでどれぐらい軽く感じるかが決まります。
ランドセルそのものの重さだけで判断するのでなく、わが子が教科書を入れて背負った時に軽く感じることが大事です。空のランドセルを手に持って重いと感じても、ランドセルによって背負った時に感じる重さに違いがあります。
背負って軽く感じるランドセルを購入する事が重要ですが、購入後は軽く感じる調整を知っておきましょう。
ランドセルを背負った時に軽く感じる調整をする
ランドセルは購入したらそのまま使っても良いのですが、もし子供が重いと言ったり、少しでも軽く背負わせたいと考えたとき、次の事を参考にして下さい。
1.ランドセルと背中のすき間を無くす
とても簡単な対策です。次の画像を見て下さい。
肩ベルトの長さを調整してランドセルと背中の間にすき間が無いように調整するだけで随分軽く感じます。
このときに背カンが左右に広がらないタイプだと、背負いにくいだけでなく重く感じるので、背カンは左右に広がるものを選びましょう。
ランドセルと背中の間にすき間があると、後ろに引っ張られ重く感じ猫背になる
もし背中との間にすき間があると、ランドセルは腰に当たり、腰を中心にランドセルが斜め後ろに回転する力が働きます。
そうなると、例えば教科書の入った3kgのランドセルが回転する力は大きく、斜め後ろに後ろに上体が引っ張られるのでとても重く感じます。
その時、力の無い子供は前かがみになって後ろに引っ張られないように頑張るので、子供の悪い姿勢として問題となっている「前かがみ」「猫背」は、ランドセルと背中の間にすき間があることが一つの原因と考えられます。
このすき間をなくすように肩ベルトの長さを調整しますが、きゅうくつ過ぎないようにしましょう。
背カンが左右に開くタイプだととても着脱が楽です。
すき間が無いとランドセルの重さが真下に降りるので軽く感じる
隙間がないように調整すると、画像のように、ランドセルの重さは垂直に降ります。
子供の肩は後ろに引っ張られないので、背筋をまっすぐにして良い姿勢でランドセルを背負えて軽く感じます。当たり前のことですが、是非一度チェックしてみて下さい。
2.ランドセルの肩ベルトの長さの細かな調整ができるか
肩ベルトの長さは調節をしないと体にフィットしません。
そのため肩ベルトの長さが細かく調整できるかを確認しましょう。肩ベルトの穴と穴の間が何センチ刻みになっているかということです。調整する穴の数は7〜8コ。穴と穴の間隔はどちらも約3.4cm程度が標準です。
これ以上穴の間隔が狭いと耐久性の問題が起こり、広いとピッタリフィットしません。
この点で優れているのはハネッセルの肩ベルトです。肩ベルトに穴をあけずに自由に調整が効き、背負った後に調整ができるので便利で使いやすい肩ベルトです。
しかし殆どの肩ベルトは背負う前に穴で調整するので、肩ベルトの穴と穴の距離が問題になります。
3.重い荷物はなるべく背中に近くに入れる
↑ 重いもの(例えば辞書など)をランドセルのメインポケットの中の背中に近い部分に入れると、背負って軽く感じるコツになります。奥行(マチ幅)があればあるほど、荷物の入れ方に配慮しないと、背負うと次の画像のように「テコの原理」で重く感じます。
大容量のランドセルは奥行(マチ幅)があり荷物が沢山入るんですが、重い荷物を背中から遠くに入れるほど重く感じます。;
↑背中から遠くに重い物をいれてしまうと、背中から離れた距離だけ下に回転する大きな力が働くので、とても重く感じるのです。
イオンのみらいポケットランドセルは、サブポケットのマチ幅が広いので、重い水筒など入れたりしがちですが、その分重く感じるので注意です。そうすると後ろに引っ張られる感じが強くなり、背負う機能に優れたランドセルでも背負い心地は悪くなってしまいます。
4.重いものはなるべくランドセルの上の方に置く
↑ 重いもの背負う時には、なるべく重いものを上に置くほうが軽く感じます。3.と併せて考えると、重いものは背中になるべく近く、そして上に置くと良いです。
もし重いものをランドセルの下の背中から離れた位置に入れると、肩を後ろに引っ張り重く感じます。
5.ランドセルの中で教科書がずれると重く感じる
更に重いものがランドセルの中で動いてしまうと、体をブラブラ揺らす力として働いてしまいます。ランドセルの中に入れる教科書などが少ない時、隙間が空いていると教科書がずれて不安定になることがあります。
そういうとき、中の隙間にタオルを丸めて入れずれない工夫をすると、不安定さや重さは感じません。
キッズアミでは、ランドセル内の整理と、教科書等がずれないための道具として、「キッズアミバッグ」を揃えていますが、たくさんの物が整理できるものでもありません。
まとめ
購入したランドセルをそのまま使うのではなく、こういった工夫はどのランドセルにも共通して使える方法です。買ったまま使うよりも、子供が背負いやすいように工夫する発想をしましょう。
ランドセルの重さは毎年大きな話題になり、ランドセルを選ぶお母さんの悩みのたねでもあります。
A4フラットファイルが入るランドセル、いわゆるA4フラットファイル対応ランドセルは重いから子供が可哀想だと感じるお母さん方は多いと思います。容量が大きくて収納できる荷物が増えるのは良いことでも、さすがに重いのでは !? と選ぶ気にならない気持ちはよくわかります。
しかし現実は、そんな不安はありながらもA4フラットファイルが入らないと困るからA4フラットファイル対応ランドセルを購入しているということでしょう。でも、そのデメリットを超えるメリットがA4フラットファイル対応ランドセルにはあるんですが、背負った時に軽く感じる調整をしないと重く感じます。
文部省が各都道府県に「置き勉」を認めるように文書で通知しているので、教科書を学校に置いたまま軽いランドセルで登下校できるようになりかもしれません。決定は各都道府県の教育委員会がこれから行っていくので適当な時期に問い合わせましょう。(*既に置き勉を認めている学校もあります)
参考)ランドセル症候群の症状と対策 | 姿勢の悪さとランドセル